知的財産ニュース カンボジア、特許無審査登録に続き、デザインも迅速登録

2020年8月12日
出所: 韓国特許庁

これからはカンボジアで特許とデザインを一緒に登録しましょう!

韓国特許庁は、カンボジアの産業科学技術革新部とMOUを締結し、韓国人がカンボジアで迅速にデザイン権を獲得することができる、デザイン迅速登録制度(Fast Registration for Industrial Designs)を8月12日から施行すると発表した。

デザイン迅速登録制度とは、韓国人であれば誰もがカンボジアにデザインを出願した後、簡単な申請書を提出するだけで、3週間以内にデザイン登録できる制度であり、韓国に同一なデザインを出願していない場合にも利用できる。

この制度を利用する場合、通常3〜6ヵ月がかかるカンボジアでのデザイン登録期間を大幅に短縮させることで、カンボジアでの早期権利の確保が可能になる。

今回のMOU締結は、商品の機能性とともにデザインが重要になっている最近の産業界のトレンドを反映した点で有意義である。

特許庁は、すでに2019年8月にカンボジアの産業科学技術革新部と特許認定協力のMOUを締結しており、韓国で登録した特許と同一なカンボジアの出願については、別途審査なしで6ヵ月以内に登録を認める特許認定制度を施行している。

デザイン迅速登録制度は、このような特許認定制度の効果を最大化することができる。アップルがスマートフォンに関連する複数の特許権とデザイン権を保有していることと同じく、カンボジアで自社製品に対する特許とデザインの権利保護を希望する韓国企業が本制度の最大の受益者になると予想される。

例えば、電気炊飯器の分野でカンボジアに進出する企業は、炊飯器の保温機能について、まず韓国で特許登録を受けた後、それをベースにしてカンボジアで無審査の特許登録を受け、それと同時に電気炊飯器の外観に対するデザイン権を速やかに確保する戦略を駆使することができる。

特許庁長は、「当制度は、特許認定制度との組み合わせで活用する場合、カンボジア市場に進出する企業に2重の保護手段を提供することになる」とし、「これからこのような制度を施行する国を増やしていくとともに、より多くの海外進出企業が当制度を効率的に活用できるように広報も強化していく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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