知的財産ニュース 第四次産業革命の目、イメージセンサーの特許出願が活発
2020年7月9日
出所: 韓国特許庁
SF映画でよく見られる、人工知能(AI)ロボットが自分で判断する場面や、自律走行車が運転者の操作なく自ら道路を走る場面が、もはや現実になっている。これらのAIロボットや自律走行車が自分で判断して動くためには、まず周りの状況を認識する必要がある。そのために必要なものがイメージセンサーである。イメージセンサーは、人間の目の役割をする。 イメージセンサーは、カメラのレンズに入ってきた光をデジタル信号に変換し、映像で見せる素子であり、スマートフォンのカメラだけでなく、車両のブラックボックス、生体認証、拡張現実など、さまざまな分野で活用されている重要な部品である。
最近、韓国特許庁が行ったシーモス(CMOS)イメージセンサー(注1)の特許出願分析によると、2015年に190件だったのが2019年には263件で徐々に増加している。出願人別では韓国人の出願が52.4%で、外国人の出願を超えている。
企業別ではサムスン電子が27.5%、ソニーが16.3%、SKハイニックスが11.5%、そしてTSMCが7.2%で、4大グローバル企業が全体出願の62.5%を占めている。
詳細な技術別の出願動向を見ると、イメージセンサーが自動車分野に拡大適用されることにより、暗いところでも効率的に動作する技術が25%、スマートフォンカメラの高級化により鮮明度を高める技術が18%を占めている。また、ドローンや個人放送の増加による高解像度技術の出願も14%を占めている。 CMOSイメージセンサーは、携帯電話の登場とともに発展してきた。1999年にカメラを搭載した携帯電話が初めて発売され、より鮮明で華やかな写真を求める顧客のニーズに合わせて発展してきた。
最近では、自律走行、ドローン、AIロボットなど多様な分野でCMOSイメージセンサーが適用され、それにより関連出願も持続的に増加している。
特許庁の半導体審査課長は、「イメージセンサーは、AI、自律走行車、ドローンなど第四次産業革命の必須的な部品であり、今後爆発的な需要が予想される」とし、「中核部品の技術自立のために継続的な研究開発とそれを保護するための強力な知的財産権の確保が必要である」と述べた。
注記
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シーモス(CMOS)イメージセンサー:相補型金属酸化膜半導体(CMOS)の構造を持つ低消費電力型の撮像素子。電荷結合素子(CCD)に比べて低い電源電圧を使用、低い消費電力動作、周辺回路との一体化が可能である。画素が大幅に改善され、スマートフォンのようなモバイル機器はもちろん、高解像度デジタルカメラや医療用画像機器、自動車監視カメラなどにも広く使用される。(出典:TTA情報通信用語辞典)
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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