知的財産ニュース WIPO、アカデミー局長(D1)の職位に韓国人を採用

2020年5月19日
出所: 韓国特許庁

歴代3番目の韓国人の高官進出で、2名が現職で局長職位を確保

韓国特許庁は、知的財産権分野における国際連合の傘下機関である世界知的所有権機関(WIPO、World Intellectual Property Organization)が、アカデミー局長(Academy Director)の正規職位に韓国特許庁出身のクォン・キュユ(54歳)氏を正式採用したと発表した。

クォン氏は特許庁で長い間、国際協力課長として勤務し、二国間・多国間協力に対する豊富な経験を持っており、この他にも商標分野の審判長、国家知識財産委員会の知識財産振興官を歴任するなど知的財産権分野の専門性も備えている。

クォン局長の採用により、韓国はWIPO内で2名の現職の高官を確保でき、歴代では3番目(※)の高官進出である。 ※キム・ジョンアン元局長(2011年~2017年)、ミン・ウンジュ局長(2018年〜)

今後クォン局長は、アカデミー局で、WIPO加盟国に知的財産教育プログラムを拡大・普及し、知識財産権の重要性に対する開発途上国の認識を高める戦略確立などの業務を総括する予定である。

韓国はIP5の一員として、WIPOにおいてさまざまな協力をしてきたが、韓国人がWIPOで高位に進出することは相対的に少なかった。

今回、韓国人がWIPOの高官に進出したことにより、国際社会の知的財産権分野で韓国の地位と影響力が一層増大し、知的財産権の国際舞台で韓国人の活動もさらに活発になると期待される。

韓国特許庁長は、「今回の局長採用を契機に、今後WIPO内で韓国の国際的地位が高まり、WIPOとも継続的に緊密な関係を形成していく」とし、「これにより、韓国の知的財産分野の専門家たちが、より活発に上職に進出できるようにする一方、さらに韓国企業に友好的なグローバル知的財産環境づくりに取り組む計画である」と述べた。

クォン局長は、韓国ソウル大学経営学科、米国ワシントン大学法学修士・博士、第36回行政高等考試に合格して、公職に就いた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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