知的財産ニュース 特許庁、国際特許出願手数料の納付猶予
2020年5月18日
出所: 韓国特許庁
韓国特許庁は、5月18日から2020年の年末まで、PCT(Patent Cooperation Treaty、特許協力条約)国際特許出願における手数料の納付期間を1ヵ月猶予すると発表した。
特許庁は、PCT国際特許出願の出願料など(※)を期限内に完納しなければ、補正期間(1ヵ月)内に納付する加算料(未納手数料の50%)を免除することにした。これにより、国際出願人は、国際特許出願の受付後2ヵ月以内は、加算料なしで手数料を納付することができるようになり、経済的な負担が軽減された。
※現在、国際出願料・送達料・調査料は、国際出願後1ヵ月以内に納付することができ、これを経過すると、補正期間(1ヵ月)に加算料も合わせて納付しなければならず、補正期間内にそれを納付しないと、PCT国際出願は取り下げられたものとみなされる。
当措置は、4月20日に開かれた、「韓国をはじめとする主要16ヵ国の特許庁長と世界知的所有権機関の事務局長間の遠隔会議」で新型コロナウイルスの対策として議論された国際共助に向けた方策を具体的に実行する措置である。
今回の措置は、2020年の年末まで、特許庁を通じてPCT国際出願を行う場合に一時的に実施し、今後の韓国内外での新型コロナウイルスの拡散動向、国際出願動向、韓国企業の経済的状況などを考慮して延長するかどうかを再検討する予定である。
一方、新型コロナウイルスの影響にもかかわらず、2020年4月まで特許庁に受け付けられた国際特許 出願は、前年同期比12.6%増の傾向を見せており、加算料の免除を通じた納付期間猶予効果がさらに大きくなると予想される。
[PCT国際特許出願の現況]区分 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年4月 |
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年間出願件数 (増減率) |
14,594件 | 15,595件 (6.9%) |
15,790件 (1.3%) |
16,991件 (7.6%) |
18,885件 (11.1%) |
- |
1~4月出願件数 (増減率) |
4,447件 | 4,573件 (2.8%) |
4,620件 (1.0%) |
5,041件 (9.1%) |
5,240件 (3.9%) |
5,899件(12.6%) |
韓国特許庁長は、「今回の措置は、新型コロナウイルスが国際特許出願に支障を与えないよう、国際共助のレベルで、先行措置として施行した」とし「これからも、企業の海外特許確保を支援するため、多方面からの積極的な行政を広げていく」と述べた。
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