知的財産ニュース 特許庁、サウジアラビアIP行政情報システムの青写真を完成

2020年3月25日
出所: 韓国特許庁

世界に広がる韓国型特許システム

韓国特許庁は3月25日、サウジアラビア知的財産総局(SAIP:Saudi Authority for Intellectual Property)を対象に、知的財産(IP)行政情報システムの構築に向けた情報化コンサルティングを成功裏に完了したと発表した。

特許庁は2019年6月に、韓国特許情報院とサウジ間のIP行政情報システムを設計するために、情報化コンサルティング契約の締結を支援し、過去に特許庁情報システムの開発に参加したLG CNS、シリウス社と韓国特許情報院がコンソーシアムを組み、2019年8月から計5ヵ月間、100万ドル規模のコンサルティングが行われた。

その後サウジは、コンサルティング成果物に対する詳細検討を進め、3月24日に最終承認決定を韓国側に通知した。

コンサルティングの遂行過程において、コンソーシアムではサウジを対象にして、要求事項の分析、システムの細部仕様作成によるIPシステム構築の設計を担当し、特許庁では特許行政手続と制度をシステムに実装するためにアドバイスとデータを提供するといった仲介者の役割を遂行した。

コンサルティングは、既存の韓国型特許システムをサウジのIP環境に適用するために最適化する方式で行われ、その成果物としてサウジのIP行政情報システム開発に向けた基本設計を提供した。

まず、特許、商標、デザインなど権利ごとに分散処理していた行政手続を一つのシステムで処理できるように統合IPシステムモデルを提示し、出願、検索などの国民向けサービスと審査、登録、統計管理などサウジの内部サービスを統合することで、行政手続の効率性と利便性を追求した。

そして、審査効率性を向上させるために方式審査、通知書作成、データ交換などの行政手続きを自動化し、分類、機械翻訳、検索の3つの主要分野にはAI技術を融合させ審査品質の向上を図ることができるようにした。

サウジ知的財産総局長は「韓国の特許システムと同レベルのシステムを設計してくれたことに感謝しており、コンサルティングに基づいてIP行政情報システムの開発を推進して行きたい」と述べた。

サウジは別途システムの構築事業を推進する予定であり、コンソーシアムを優先的に考慮するとともに、予算規模などを反映して慎重に事業遂行機関を選定するという立場である。

特許庁長は、「サウジを対象とした情報化コンサルティングは、韓国型特許システムが世界一の先進システムとして認められている証拠である」とし、「現在、パラグアイ、エジプトを対象にしたシステムの輸出とブラジルを対象にした情報化コンサルティングを進めており、今後も韓国型特許システムの優秀性を積極的に広報し、政府が掲げている新南方‧新北方基調に貢献し、行政韓流を主導しようとする」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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