知的財産ニュース 特許庁、世界初のモバイル商標出願サービスを開通

2020年3月17日
出所: 韓国特許庁

モバイル出願人第1号は、創業準備中の大学生

韓国特許庁は、いつでもどこでも簡単かつ迅速に出願することができる、モバイルサービスを実施すると発表した。

ユーザー利便性の向上に重点を置いた「特許路」(電子出願ウェブページ、patent.go.kr)の改編作業を完了し、3月16日から本格的なサービスを開始した。新しくリリースする「特許路」では、商標出願から通知書の受信、手数料納付、審査処理状況の照会、登録証発行まで、全ての顧客サービスをスマートフォンでも利用できるという点が注目されている。

今回開通したモバイル商標出願人第1号の主人公は、江原道江陵市の大学生で予備創業者のキム・ジュチャンさんである。彼は、「江原知識財産センターの支援で、レンズケース事業に使うブランド名を決め、商標出願を準備しているうちにモバイルで商標出願ができるという話を聞いて、直接出願することにした。たった5分で全ての出願手続を終えることができて非常に便利だった」と利用後の感想を伝えた。

モバイル商標出願が可能になったことに加えて、新しい「特許路」では、最新のIT技術が適用されて、行政業務処理に対する利便性も大幅に向上した。

HTML5(※)は、標準技術を基盤にするレスポンシブウェブであり、PC、タブレット、スマートフォンなどに適した画面UI(User Interface)を提供する。ブラウザ公認認証書、デジタルワンパス(One Pass)による簡単認証機能を提供し、電子署名法が改正されれば私設認証書(訳注:政府ではなく各銀行が発給する認証書)を使用することもできる。

※HTML5(HyperText Markup Language 5):ウェブドキュメントを作成するプログラミング言語の標準規格で移植性が優れており、HTML5でウェブアプリケーションを作成すると、ほぼ全てのデバイスやプラットフォーム(例えば、Linux、Windows、iOS、アンドロイドなど)で使用可能

また、「特許路」のランディングページ上でユーザーがよく利用するメニューを直接構成できる機能を提供する。さらに、出願データを分散共有するブロックチェーン基盤の出願中継サーバを構築して休日を含む24時間稼働の出願受付サービスを提供する。

このようにアップグレードされた「特許路」は、特許・実用新案・デザイン・商標の全て権利に適用される。

一方、新規サービスが安定化する1ヵ月間、既存のユーザー向けの旧「特許路」も並行運営する予定である。

特許庁長は、「最初は商標分野からモバイル出願を始めたが、近いうちに特許・デザインなど、全ての知的財産権に拡大するためにシステムを開発している」とし、「一つの些細なアイデアが未来を変える大きな発明につながるケースが多いなかで、アイデアを思いついたら、すぐその場で「特許路」にアクセスして出願できるようにすることで、知的財産の大衆化を早めていきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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