知的財産ニュース 特許庁、人工知能(AI)特許創出のために産業界と議論し合う

2020年2月13日
出所: 韓国特許庁

AI分野におけるIP協議体の発足式および第1回産業界懇談会を開催

韓国特許庁は、韓国国内のAI分野の大手企業、中小企業、スタートアップおよび政府出資研究所とともにAI分野におけるIP協議体の発足式および第1回懇談会を2月13日(木曜)午後2時、特許庁ソウル事務所で開催すると発表した。

「AI分野におけるIP協議体」は、韓国内外のAI産業動向に関する情報を共有し、現場の声を特許審査政策に反映するために、韓国国内でAI特許を多数出願している15の企業を中心に構成された。

ここ9年間(2010〜2018)、AI中核技術(※)分野の特許出願動向を見てみると、IP5(日本、米国、欧州、中国、韓国、)のAI中核技術分野における特許出願は、年平均40%以上増加している。

※ AI中核技術:人工知能学習モデル、人工神経回路網の設計、人工知能チップ(Chip)などを実現するAI技術(特許分類コード:G06N)

特に中国は、中国政府の積極的な支援に支えられ、年平均58%という最も大きい増加幅を見せており、2017年からは年間出願件数が米国を追い抜いたと把握している。

韓国の出願は、2015年を起点に平均54.3%の高い増加率を見せており、出願件数としては2016年から日本とヨーロッパの件数を超えている。2018年の年間出願件数(2,506件)は、中国(11,640件)、米国(6,279件)に次いで世界3位を維持している。

・添付1:「主要国別のAI中核技術分野における特許出願件数」を参照

ただし、ここ10年間のAI中核技術分野での出願人上位ランキングを見ると、米国は上位10位以内にIBM、グーグル、マイクロソフトなどの企業が全て入っているのに対し、韓国は主に学界と研究所からの出願が多いという違いがあり、市場性の側面からのアプローチがより必要であると思われる。

・添付2:「韓国と米国のAI中核技術における出願人上位ランキング」参照

国家間AI技術力の競争から遅れをとらないためには特許権の確保が重要であり、特にAIの中核技術分野の特許を先に確保するために、韓国内のAI関連産業界の努力が切実に要求されている状況である。

このような国内外の環境のなかで、韓国企業は韓国および海外主要国での特許取得のための情報不足により困難を経験していた。

当日、特許庁は「IP5 AI特許動向」および「IP5の特許性の判断基準と比較事例」などを発表し、2020年末までに制定する「韓国AI特許審査実務ガイド」の推進方向について企業からさまざまな意見を聴取する予定である。

また、今回発足するAI分野におけるIP協議体を通じて、特許庁はIP5のAI特許動向などを継続的に産業界と共有し、大手・中小企業および研究機関との有機的な協力により、AI産業育成を積極的に支援していくことにした。

特許庁次長は「特許庁はAIなど第四次産業革命の技術の変化に適時に対応できるよう、2019年11月に人工知能ビッグデータ審査課を含む融合複合技術審査局を新設した」とし、「これからIP協議体を中心にした積極的なコミュニケーションを行い、企業の苦情を解決し、世界市場をリードできるAI関連特許を創出するように支援を強化していく」と述べた。

「添付1」主要国別のAI中核技術(G06N)分野における特許出願件数

ここ9年間、主要国別のAI中核技術(G06N)分野の特許出願件数(年度別出願件数、未公開件数は除く)

主要国別のAI中核技術(G06N)分野における特許出願件数-グラフ

主要国別のAI中核技術(G06N)分野における特許出願件数-表

※調査DB:特許庁検索DB ※調査方法:CPC G06Nが主分類または副分類で分類された特許出間件数(未公開は除く)

「添付2」 韓国と米国のAI中核技術における出願人上位ランキング

ここ9年間、韓国と米国のAI中核技術(G06N)の出願人上位ランキング(累積出願件数、未公開件数は除く)

韓国と米国のAI中核技術における出願人上位ランキング-表

※調査DB:特許庁検索DB ※調査方法:CPC G06Nが主分類または副分類で分類された特許出間件数(未公開は除く)

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195