知的財産ニュース 特許庁、海外で盗用された韓国商標に対するASEAN国家への監視拡大

2020年2月11日
出所: 電子新聞

特許庁は、韓国企業の商標に対する海外の無断商標先取りのモニタリングをASEAN地域に拡大する。

特許庁は、中国やベトナム地域で施行していた「海外での無断先取り疑い商標の情報調査」を、タイまで拡大すると2月11日に明らかにした。

海外での無断先取り疑い商標の情報調査は、韓国企業の商標に対する無断先取りの有無を把握し、該当企業に通報、優先権の主張、異議申立などを活用して早期対応できるように支援する事業である。

2015年から中国を対象にモニタリングしており、2019年のベトナムに次いで、2020年にはタイなどASEAN主要国へ対象地域を拡大する。

2019年には中国だけで韓国企業176社、計738件の商標が無断先取り疑い事例として把握された。

業種別では、フランチャイズが130件(17.6%)で最も多く、食品117件(15.9%)、化粧品58件(7.9%)、衣類31件(4.2%)などの順でフランチャイズや食品業界の被害が大きいことが分かった。

特許庁は、中国内で最も被害が大きいフランチャイズ業種を対象により詳細な分析報告書を発刊し、韓国企業自らの商標の先取り対応戦略を確立できるように支援した。

ベトナムでも2019年に商標を多量に先取りしている者により、韓国企業33社の計66件の商標が無断で先取りされていることが把握された。

特に、サッカーベトナム代表の韓国人監督の名前を商標で使用した事例も摘発された。

業種別では、食品18件(27.3%)、化粧品11件(16.7%)、フランチャイズ4件(6.1%)、電気・電子の2件(3.0%)などの順である。

該当企業は異議申立書の提出や商標権の現地出願などの措置を取り対応している。

2020年にはK-ブランドの需要が急増しているタイやベトナムを対象に、先取り疑いのある商標に対する情報調査を隔月に実施し、韓国企業に商標先取りの疑い事実を速やかに伝達する計画である。

特許庁の産業財産保護支援課長は「最近、韓国企業の商標を多量に先取りする商標ブローカーの活動が中国だけでなく、ベトナム、タイなどASEAN国家でも発生している」とし、「国際知財権紛争への対応戦略、共同対応協議体のような連携事業を通じて商標先取りによる被害を最小化できるよう支援する計画である」と語った。

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