知的財産ニュース デザイン3D図面提出でデザイナーからの直接出願が便利になりました!

2020年2月5日
出所: 韓国特許庁

ここ10年間デザイン3D図面の出願増加率が大幅に上昇

特許庁は、3D図面提出方式によるデザイン出願増加率を分析した結果、ここ10年間で22.3%と最も高い割合であると発表した。

これは、同期間でのデザイン総出願件数の増加率である1.6%よりも20.7%も高い数値である。

3D図面提出方式(※)によるデザイン出願は、韓国で2010年に世界で初めて開始され、出願件数は794件を皮切りに2019年3,483件で、これまで徐々に増加傾向を見せていることが分かった。

※現在、欧州連合知的財産庁(EUIPO)でも3D図面提出方式を許可している(2015年9月28日から施行)

「ここ10年間3図面提出方式によるデザイン出願件数および総出願件数割合の推移」

推移グラフ

3D図面提出方式による出願は、デザイナーの直接出願を容易にするため、代理人選任にかかる時間とコストが削減でき出願人に便利である上に、審査官は複雑な形状も簡単に理解でき、効率的な審査を可能にする利点がある。

デザイン物品類別に10年間の出願件数を見ると、土木建築用品が4,741件(19.1%)で最も多く、住宅設備用品4,309件(17.4%)、衣服と身の回り品4,120件(16.6%)の順になっている。

「ここ10年間3D図面提出方式によるデザイン出願件数の物品類別のシェア」

シェアグラフ

出願人の類型別に出願件数を見ると、中小企業が1万2,497件(47.2%)で最も多く、個人は1万2,130件(45.8%)、公共機関・政府などが776件(2.9%)、中堅企業661件(2.3%)、大手企業415件(1.6%)の順になっている。

2019年の総出願件数と比較すると、3D図面提出方式による出願の割合が大手企業は3.8倍低い一方、中小企業は1.6倍高く、中小・ベンチャー企業で3D図面提出方式を相対的に好んでいると思われる。

「3D図面提出方式による出願件数の出願人類型別のシェア」(左)

「総出願件数の出願人類型別のシェア」(右)

シェア円グラフ

一方、毎年WIPO(世界知的所有権機関)で開かれる標準委員会(CWS)では、韓国の3D図面提出方式によるデザイン出願制度の経験を中心に3D図面の提出モデルに対する国際標準化方式を議論しており、韓国の先進3D図面提出方式は、海外でも国際的に認められる段階に至っていることが分かる。

特許庁のデザイン審査政策課長は「3D図面提出方式によるデザイン出願件数がここ10年間、全体的に増加しており、最近になって安定傾向に見せていることから当出願制度の定着が成功していると思われる」とし、「これからも中小企業・個人など国民の立場から考えて、有用で実際に必要なデザイン制度を発掘して成長させることに注力する」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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