知的財産ニュース 特許庁、「故意的侵害に対する3倍賠償制度の導入による中小企業の特許侵害予防ガイド」を発刊

2020年1月14日
出所: 韓国特許庁

特許侵害の予防はこうしましょう

特許庁は、中小企業が他人の特許を侵害した際に発生しうる紛争を予防し、それにより発生した紛争に適切に対応するため、知っておくべき内容を盛り込んだ「中小企業の特許侵害予防ガイド」を発刊したと発表した。

2019年7月9日から故意的に特許を侵害した場合、損害額を最大3倍まで賠償する「3倍賠償制度」が施行され、企業側は他人の特許を侵害しないように、より細心の注意を払う必要がある。

ただし、まだ制度施行の初期段階であるため故意的な侵害に対する裁判所の判例や明確な判断基準がなく、知的財産の専門人材が不足している中小企業が、変更された損害賠償制度に従って特許紛争に対する予防や対応活動をするには、多少困難が伴う可能性がある。

それを受け特許庁は、2019年に故意的侵害の判断基準に関する研究用役(※)を実施し、それに基づいて中小企業の特許侵害予防ガイドを作成した。

※「懲罰賠償の導入など、特許法‧不正競争防止法の主要改正事項に対する判断基準および効果分析研究」オンナラ政策研究システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

当ガイドには、(1)3倍賠償の要件および賠償額算定時の考慮事項、(2)台湾、米国など韓国内外の事例から見た故意の判断基準、(3)警告状受領時の対応要領(4)特許庁支援事業の案内など、紛争予防および対応のために必要な情報が含まれている。

韓国と同様に、3倍賠償制度を運営している台湾や米国の事例を見ると、故意的侵害の判断において侵害者が特許侵害の事実を認知していたのか、認知した後も侵害が継続的に行われたのかが最も重要な判断基準になっていることが分かった。

特に留意すべき点は、警告状を受領した後も、侵害行為を続けた場合には故意的侵害と判断される可能性が高いため、専門家の意見書を確保するなど適切な対応を行う必要がある。

特許庁の産業財産保護協力局長は「当ガイドの発刊により、企業側の3倍賠償制度に対する理解度を高め、紛争を予防し、特許がきちんと保護される文化が定着できることを期待している」と述べた。

当ガイドは、中小企業中央会、ベンチャー企業協会など企業関連団体を介して配布される予定であり、特許庁ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの「冊子/統計-刊行物-その他の情報」の項目からダウンロードできる。

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