知的財産ニュース 特許庁、有名マスクパックの偽造商品大規模製造・流通業者取り締まる

2019年7月18日
出所: 韓国特許庁

いわゆる「ソン・ジュンギパック」を大量に偽造し、国内外のオン・オフラインで無差別流通

200億ウォン相当の偽造商品607万点を押収、製造・流通業者10人を立件

1988年に設立され、業歴31年のカラーメイク専門の国内中小企業のF社は、2019年初、国内外の取引業者から2017年4月頃、既に生産および販売中止された自社の「7DAYSマスクパック」が国内の有名オンラインショッピングモールおよびベトナム現地の店舗で普通に販売されているという通報を受けた。

オンラインで検索すると、2016年5月から2017年4月まで1年間、F社が有名俳優のソン・ジュンギ氏と公告契約を結んで1個当たり3,000ウォンで販売したいわゆる「ソン・ジュンギパック」をそっくりコピーした偽造商品が1個当たり300ウォンから600ウォン程度の低価で有名オンラインショッピングモールのあちこちでダンピング販売されていた。

F社は、今回の事件により、これまでカラーメイク分野で国内外の業界および消費者との間で築いてきた信頼と企業イメージか大きく損なわれただけでなく、肌に使用する化粧品であるだけに消費者の被害も深刻である可能性があると特許庁産業財産特別司法警察(以下、特司警)に捜査を依頼した。

特司警は、有名俳優のソン・ジュンギ氏を製品のイメージモデルにし、国内外で高い人気を博した「7DAYSマスクパック」(いわゆる「ソン・ジュンギパック」)を大量に偽造し製造・流通させたA氏(53)など10人を商標法違反の疑いで立件し、偽造完製品および半製品約607万点を押収したと7月18日、明らかにした。

F社の「7DAYSマスクパック」は、某地上波テレビのドラマ出演により、国内のみならず海外でも人気の高い韓流スター「ソン・ジュンギ」氏がイメージモデルのマスクパックであり、2016年5月に販売初日だけで香港、ベトナム、タイなどと100万枚の輸出契約を結んだヒット製品である。

国内の化粧品大手で10年以上研究員として勤務したA氏は、「7DAYSマスクパック」製品の企画を終え、製造・流通先を探していたF社に接近して、OEM(相手先ブランド製造)契約を締結し、契約が解除された後も、商品形態と包装、商標など、外観は同一だが、品質は低品質の偽造マスクパックを継続して製造し流通させた疑いが持たれている。

正規商品マスクパックは、月曜日から日曜日まで火山灰、馬油、海ツバメの巣の抽出物などそれぞれ違う7つの成分が曜日別に添加されることに対し、A氏などが製造した偽造マスクパックは、生産コストを抑えるためにこれらの成分が添加されていないだけでなく、シワの改善と美白のために含まれるべき必須成分がほとんど入っていないことが判明した。

また、偽装マスクパックは、他の会社が使い残した原料を使っており、曜日別に色と香りだけを違うように製造し、正規商品の価格の10分の1水準の低価で国内のオンラインおよび中国、ベトナムなどの海外に販売したことが明らかになった。

また、流通販売商のB氏(35)は、A氏と共謀し、製品原料である充填液の供給を受けた後、他の流通業者らを募集し偽造商品を製造・納品した疑いが持たれており、その他のC氏(45)、D氏(50)なども国内外製造および総販売権を持っていると書類を偽造し、偽造商品の製造を依頼したり、直接製造して国内外に流通した疑いが持たれている。

一方、A氏はF社の製品以外にも2017年に国内の他の中小企業のマスクパック製品(約数億ウォン相当)を偽造・流通させ、商標法違反の処罰を受けた前科もあることが判明した。

特許庁は、京畿道の平澤および金浦一帯で偽造マスクパックが製造されているという通報を受けて、周辺の産業団地を中心に聞き込み捜査を行い、臨時倉庫を借りてマスクパックを製造する現場を摘発し、偽造マスクパックの完製品および半製品など全量を押収した。

今回押収された物品は、完製品、充填液(エッセンス)、包装パウチ、製造機械など計607万点余り(正規商品価額約200億ウォン相当)に達し、押収だけで5トントラック16台が動員されたが、これは特司警が発足された2010年から2018年まで押収した物品の合計が約510万点であることを考慮すれば、物量面で特司警における史上最大の規模である。

特許庁産業財産保護協力局長は、「正常な生産および流通管理がされていないだけでなく、成分確認もまともにされていないまま、製造・流通される偽造マスクパックは、韓流化粧品の品質に対する国際的な信頼度およびイメージダウンにつながるだけでなく、消費者の安全および健康に直結する偽造商品の流通行為に対しては強力な処罰が下されるよう、厳正に捜査する」と明らかにした。

特司警は、このような産業財産権関連捜査を約10年間行ってきた捜査ノウハウを基に、2019年の初めから捜査範囲が拡大された特許・営業秘密・デザイン侵害事件も特許庁の技術の専門性を十分発揮して解決することで、国民の権利保護に万全を期す計画である。

特許、営業秘密、デザインなど産業財産関連侵害の申告は、特許庁産業財産調査課(電話042-481-5812)または、産業財産侵害申告センター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますまで。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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