知的財産ニュース 都市漁夫の人気で、釣り用品のデザインも増加
2019年8月26日
出所: 韓国特許庁
仕事と生活の調和を重視する「ワーク・ライフ・バランス(Work & Balance)」文化の拡散、週52時間勤務制度の施行などで、趣味生活を楽しむ人が増えている。釣りは、2017年に行われたアンケート調査(注1)によると、趣味生活の選好度1位に選定され、2018年に発表された報告書(注2)においても、国内の釣り人口は800万人と推定されるなど、最近、国民的な関心が高まっている。特に、最近「都市漁夫」など、釣りをテーマにしたバラエティ番組が人気を集めており、今後、より多くの人々が釣りに興味を持ち、参加すると予想している。
特許庁によると、このような釣りへの熱気による様々な消費者の需要に応えるために、業界では毎年、釣り用品のデザイン出願を増やしているという。釣り用品の出願件数は、2015年には196件に過ぎなかったが、2018年には387件へと約2倍増加し、釣り用品のデザイン出願は毎年、着実に増加している。
デザインの特徴を見てみると、過去は釣り用重りなど、機能性を活かしたデザイン出願が多かった一方、最近はルアー(注3)など、従来と美的に差別された様々な形のデザイン出願が増加している傾向である。これは釣り人口の増加と共に、様々な消費者の需要に応え、デザイン的な差別化により製品を販売しようという戦略と判断される。
さらに、従来は釣り用品の売上額の相当な部分を日本のブランドなど、輸入製品が占めていたが、最近は日本及び海外のデザイン出願が減少傾向である一方、国内のデザイン出願は持続的に増えている傾向であり、今後、国内の釣り用品の市場構造に影響を及ぼすと予想されている。
特許庁の商標デザイン審査局長は、「国内の釣り人口の増加と釣りのバラエティ番組の人気などで、関連市場が成長することにより、国内の業者が消費者の好みに合わせた様々なデザインを出願している。これにより国内製品が輸入の釣り用品の需要を代替すると期待している」述べた。
一方、特許庁は釣り用品のデザインを出願する際に、新規性、容易創作性などを事前に考慮して出願すれば、登録の可能性を高めることができるとした。このため、従来に登録されたデザインを把握できる特許情報検索サービスを利用して、出願デザインと同一・類似のデザインが登録されていないかを、事前に検索してみることを推奨している。
注記
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世宗大学校観光産業研究所、コンシューマーインサイトにおいて、旅行をしながらやってみたい趣味生活についてアンケート調査を実施した結果、釣りが40%で、登山(30%)を抜いて1位となった。
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韓国海洋水産開発院で行われた釣り文化に関する報告書によると、国内の釣り人口は2010年に652万人を記録、2015年に677万人に増加、2016年には767万人に急増し、今年度は800万人を超えると予想されている。
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「ルアー」とは、金属類や木材、その他の合成素材による疑似餌のことであり、「ルアー釣り」とは、ルアーを用いた釣りを意味する。
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