知的財産ニュース スマートフォンに搭載された超音波指紋認識技術

2019年4月29日
出所: 韓国特許庁

モバイル超音波指紋認識に関する特許出願が活発

韓国企業が最近発売したスマートフォンに超音波指紋認識技術が採択され注目を浴びる中、超音波指紋認識に関する特許出願が急増していることが判明した。

特許庁が、過去10年間(2009年~2018年)に出願された計686件の超音波指紋認識に関する特許を分析した結果、過去5年間(2014年~2018年)は、621件の超音波指紋認識特許が出願された。これは、その以前の5年間(2009~2013年)に出願された65件に比べて855.3%以上増加した数値である。

現在の指紋認識技術は、静電容量式、光学式、超音波式の三つの技術が代表的である。静電容量および光学指紋認識に関する出願が同じ期間に、各々302.6%と383.1%増加したのと比較してみると、超音波指紋認識技術の増加幅が最も大きいものと調査された。

指紋認識技術の種類

  1. (静電容量式)指紋表面の屈曲による電気的差を利用して指紋を利用する方式
  2. (光学式)光を利用して指紋を認識する方式
  3. (超音波式)超音波(高周波)を指紋に照射し、隆線の屈曲による3次元イメージをスキャンする方式であり、指紋認証の失敗率が低く、セキュリティ面が優秀であり、湿気や日光が強い環境においても安全な指紋認識が可能であることがメリット

超音波指紋認識技術に関する年度別の特許出願推移を調べて見ると、2012年までは、小幅の増加傾向をみせたが、2013年から急激に増加し、2016年には199件と最高値をみせた。これは、3D屈曲認識の超音波認識技術の特性上、偽造が難しいと言われる機能的なメリットとホームボタンおよびベゼルをなくして画面を拡大できるデザイン的なメリットがあり、超音波指紋認識技術に対する関心と需要が増えたためであると分析される。

超音波指紋認識に関する特許出願を出願人類型別に調べて見ると、企業が94.31%(647件)、学研が2.48%(17件)、個人が3.21%(22件)を占め、企業出願の割合が高いことが分かった。

これは、関連企業が技術開発以降、出願段階においてスマートフォンに対する適用および性能を高めるための周辺技術も多数出願するためであると分析された。

特許庁住居基盤審査課長は、「スマートフォンの使用者は、新しいスマートフォンが発売される度に、そのスマートフォンに適用された技術に高い関心をみせており、特に、スマートフォンにおける生体認識技術は使用者の利便性とセキュリティ面を考慮し、常に変化を遂げるものである」とし、「韓国企業が、利便性とセキュリティに優れた生体認識技術を開発するとともに、開発された技術の性能を向上させながら特許を確保し、国内外市場を先取りすれば、雇用創出にも大きく貢献できるものと期待される」と述べた。

一方、指紋認識技術は、2013年9月に発売されたiPhone 5Sに搭載されて以来、サムスン、LG、アップルのスマートフォンに継続的に適用され特許出願が活発になっている。

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