知的財産ニュース 商標にレトロブームが起きている!

2019年5月20日
出所: 韓国特許庁

「◯◯堂、◯◯屋」などの商標出願、Newtroトレンドに伴い増加幅目立つ

商標に、ニュートロ(Newtro)ブームが起きている。ニュートロは、「新しい(New)」と「レトロ(Retro)」を組み合わせた言葉で、「新たな、古いもの」、「新レトロ」を意味する新造語である。

特許庁は、ニュートロ感性が、10~20代の若い消費者から注目され、レトロ風の名前の飲食店などの商標出願が大きく増加していると明らかにした。

※業種範囲:飲食業(43類)のうち食堂業(S120602)、食品(30類)のうちお菓子、パンなど(G0301)

※統計分析期間:2009年~2018年(基準)に出願された商標

スクプ堂、ミミョ堂、マンガオク(満嘉屋)、スルト屋などのように、標章に飲食店を表す接尾辞の「堂」、「屋」を付けた商標が代表的である。

出願の増加幅が目立つのは、「◯◯堂」の商標である。直近10年間(2009年~2018年)の商標出願を分析した結果、2009年から2013年まで、118件の商標が出願されたが、2014年から2018年までは、288件が出願され、2.4倍増加した。2019年も、第1四半期まで25件が出願されており、現在の勢いが続けば、2018年の出願件数(94件)を超える見通しである。

「◯◯堂」の商標のうち、最初に出願された商標は、韓国の第1世代製菓店の創業者である、故シン・チャングン氏が、1954年10月に出願して登録された「太極堂」である。

「屋」を含む商標も、同じ期間で167件が出願されたのが、約1.9倍増加の317件となっており、2019年も第一四半期まで24件が出願された。

また、「食堂」や「商会」を含む商標も、2014年以降、出願が大幅に増加している。食堂商標、商会商標は、直近5年間(2014年~2018年)で、それぞれ548件と120件が出願され、以前の5年間(2009年~2013年)の139件、27件に比べて約4倍増加した。

ニュートロブームは、2014年から始まり、2019年もこの勢いが続いている。これは、50~60代の中高年においては、青春時代の郷愁を思い起こさせ、若い消費者層においては、これらの標章を「古いものではなく、新しいもの」と認識しているためである。

ソウル大学の消費者トレンド分析センターは、2019年を主導するトレンドの10大のキーワードの一つに、「このごろの昔、ニュートロ」を挙げている。 特許庁商標デザイン審査局長は、「ニュートロ感性が消費者層の好評を得ているだけに、レトロ風の商標出願の増加は、当分続くとみられる」と述べた。

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