知的財産ニュース 軽量で丈夫な自動車、ホットなホットスタンピング技術で!

2019年5月13日
出所: 韓国特許庁

超高張力鋼部品成型技術、ホットスタンピング関連特許出願活発

最近、世界的に環境規制および燃費規制が強化され、より軽量の車両素材の開発が活発な中、国内でも超高張力鋼板(注1)を活用した車両の販売が相次いでおり、超高張力鋼部品を成型するホットスタンピング工法に関連する特許出願も活発に行われている。

特許庁によると、ホットスタンピング技術関連の特許出願は、2010年以前には、年間の出願件数が20件以下に過ぎなかったが、2011年を起点に、急激に増加し、毎年50件以上の出願が行われている。

ホットスタンピング技術とは、金属素材を高温(900~950℃)加熱状態でプレス成型した後、金型内で急冷させることで、軽量で丈夫な部品を製造する工法である。

ホットスタンピング技術は、既存の鋼板の厚さを維持しながら、強度は2~3倍向上させ、重量は15~25%減らせるため、最近、国内完成車メーカーでも、ホットスタンピング技術を採用した新車を相次いで販売している。

CO2削減、燃費改善、安全性向上に対する世界的な関心の高まりから、軽量で丈夫なホットスタンピング部品の市場規模も拡大している。世界市場の規模は、2016年の約8.9億ドルから、2021年は約180億ドルに成長すると見込まれ、国内市場は、2016年の約6,600億ウォンから、2021年は約1兆1,500億ウォンに成長すると見込まれる。

2008年から2017年までの出願人別の出願現況をみると、内国人の出願が60.8%、外国人の出願が39.2%を占めており、内国人の出願は、大企業と中堅企業の出願が、全体の内国人の出願の78%を占めているが、これは大企業の完成車生産メーカーを中心に、技術開発が行われているためである。

国内の主要出願人をみると、大企業には現代自動車(株)、現代製鉄(株)などがあり、中堅企業には(株)MS AUTOTECH、(株)SUNGWOO HITECHなどがある。

一方、該当期間の内国人の出願の海外出願現況をみると、大企業と中小企業の出願のうち、海外出願が占める割合は、それぞれ21.7%と2.7%である。韓国全体の大企業と中小企業の国内出願のうち、海外出願が占める割合が、36.8%と4.3%であることをみると、ホットスタンピング分野の海外出願の業績は、低調な水準である。

特許庁加工システム審査課長は、「ホットスタンピング技術は、軽量化と高強度が必要なロボット、航空宇宙、再生可能エネルギーなど、先端未来有望産業でも需要の増加が予想される」と展望し、「グローバル市場を先取りするためには、より積極的な海外出願戦略が必要である」と強調した。

(注1)鋼板は、引張強度の大きさによって、270MPa以下の一般鋼板(Mild Steel、MS)、270~700MPaの高張力鋼板(High Strength Steel、HSS)、700MPa以上の「超高張力鋼板(Advanced High Strength Steel、AHSS)」に区分され(世界鉄鋼協会基準)、超高張力鋼板のうち、1,000MPa以上の超高張力鋼板をUHSS(Ultra High Strength Steel)に、別途区分する場合もある。

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