知的財産ニュース 政治的状況とは関係なく、日韓のIP産業の交流は続けなければならない

2019年11月7日
出所: 電子新聞

「政治的状況とは関係なく、韓国と日本の知的財産分野での交流は拡大しなければならない」

11月6日、東京都千代田区に所在する日本科学技術館で開かれた、「特許・情報フェア&カンファレンス(PIFC)」に参加した韓国企業は、日本をはじめとする海外諸国との交流、協力の重要性を強調した。

イベントには、韓国知識財産サービス協会と民間企業からなる市場開拓団が参加した。毎年参加していたイベントではあるものの、今年は両国の関係悪化により、再考しなければならないという韓国内の意見もあった。しかし、協会は日本市場の重要性を考慮し、参加することにした。大企業はさておき、海外市場への依存度が高い中堅・中小のIPサービス企業が、これまで築いてきた日本市場での競争力を失う可能性があると判断したためである。

韓国における特許出願件数の減少など、現在の韓国内需市場は不安な状況であり、海外市場、特に日本市場は、既に戦略市場として位置付けられているのが現状である。

PIFCに参加した韓国企業は、日本、中国などグローバル市場での競争力強化のためには、各国との民間協力が必要だと強調した。

韓国知識財産サービス協会海外協力委員長は、「政治的状況とは関係なく、韓国と日本のIPサービス企業は活発に交流しており、今後もこのような関係を維持しなければならない」とし、「日本市場は、韓国企業が戦略的に取り組まなければならない市場である」と述べた。

同委員長は、「日本は、IP分野で最も古い市場であり、サービスの品質と価格競争力を共に有している韓国企業が活躍できる良い環境を備えており、日本企業もそれをよく知っている」と説明した。

弁理士仲介会社PAT Korea代表は、「ビジネスを始めたばかりのIPサービス・スタートアップ、中小企業は、顧客会社との接点を探すこと自体が簡単ではない」とし、「市場開拓団のように、団体で交流するのが企業信頼性の面で有利なため、今回のような機会は必要であると思う」と強調した。

特許翻訳専門企業JESEの代表は、「韓国企業は、精巧さなど特許サービスの品質に敏感な日本市場に相応しく、そのため日本も韓国企業に持続的に手を差し伸べている」とし、「ただし、高品質のサービスを提供する韓国企業が増えてこそ、今後も安定的な位置を維持することができる」と説明した。

PIFCの参加企業は、日本市場について話しつつ、中国への懸念と期待についても言及した。中国は海外IPサービス市場でのライバル国であり、巨大な特許市場として成長している。

DOWON.COM代表は、「数年前から中国のIPサービス企業がPIFCに参加し、日本市場でのポジションを確立するために努力している」とし、「韓国企業も特許サービスの品質を改善し、対応しなければならない」と強調した。

同代表は「中国の特許、商標権の出願が年間500万件を超えており、韓国の大企業もそれに対応するために、中国での特許を強化している」とし、「特許明細書の中韓翻訳分野は、まだ専門企業が多くない状況であり、英語翻訳書を中国企業が中国語に翻訳して利益を上げている。そのため、発注する大企業と中堅・中小の翻訳企業が共存する生態系を構築し、特許関連専門家の育成に向けて全力を尽くす時である」と提言した。

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