知的財産ニュース 日本人観光客をターゲットに、偽ブランド品を販売した組織、摘発

2019年4月9日
出所: ソウル市中区庁

日本人観光客だけをターゲットにし、偽ブランド品を販売した販売組織がソウル市中区の偽ブランド品取り締まり専担チームに摘発された。

ソウル市中区は、明洞周辺や南大門市場一帯で日本人観光客に接近し、自分たちの秘密倉庫に案内し偽造品を販売していたA氏(50代)など3人を刑事立件し、捜査している。

中区は、販売組織の秘密倉庫を強制捜索し、ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメスなどの海外のブランド品の偽造品7,100点余りを全量押収した。正規品価格に換算すると40億ウォンに相当するという。

被疑者らは、2017年から外国人観光客が集まる明洞周辺や南大門市場一帯で、日本人観光客だけを対象に客引き行為をし、関心を見せる観光客には秘密倉庫に誘い込んで偽造品の販売を行っていた。

秘密倉庫は、崇礼門付近のある建物に設けられており、6階に2カ所、7階に1カ所など3カ所において一般業者に装い運営されていた。被疑者らは客引きと一緒に訪問する日本人観光客以外は出入りを徹底的に制限することでこれまで中区の監視の目をすり抜けてきた。

中区は、こうした通報を受け、ここ3カ月間粘り強く追跡捜査と潜伏捜査を行ってきた。これにより多ければ1日に6~7回も秘密倉庫がある建物へ客引きと日本人観光客が出入りする姿を目撃していた。

中区の流通秩序整備チームの関係者は、「建物に入っていた日本人が黒い袋を持って出てくるのをみて偽ブランド品の取引と確信した」と話した。

中区は、調査が終わり次第、被疑者と押収品を検察に送致する予定である。現行の商標法では偽造品を流通・販売する場合、7年以下の懲役又は1億ウォン以下の罰金に処すると規定している。

特別司法警察権を持っている中区の偽ブランド品取り締まり専担チームは、2014年から明洞周辺、南大門市場、東大門ファッションタウンを主要拠点に偽ブランド品の販売、ラベルの張替えなどに対し集中的に取り締まりを行っている。24時間体制の取り締まりにより2018年だけで398件を摘発、偽ブランド品6万4,000点余りを押収している。

中区庁長は、「今回のように特定の層をターゲットにした客引き行為と販売事例は初めて」とし、「中区の取り締まりで表面的な陳列・販売が難しくなると、裏で行われるようになった。これに対応し取り締まりも一層厳しくしていく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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