知的財産ニュース 先端IT技術が融合されたペット用品関連の特許出願が増加傾向

2019年9月16日
出所: 韓国特許庁

ペットは単に楽しさを与える存在ではなく、「家族構成員の一員」という認識が広がっている。これとともにペット関連の産業規模も(※)2014年の1兆5,000億ウォンから2019年には3兆ウォンと、年平均14.5%ずつ成長すると見込まれている。

※ペット関連産業の売上額基準の市場規模推定値:(2014年)1兆5,684億ウォン →(2016年)2兆1,455億ウォン →(2018年)2兆6,510億ウォン →(2019年)3兆2億ウォン(出所:韓国農村経済研究院) 

特許庁によると、過去5年間(2014年~2018年)におけるペット用品関連の特許出願は、総1,419件で、2014年の140件から2018年には456件と3倍以上増加した。

細部技術分野としては、衛生・美容分野が495件と最も多く、衣類・アクセサリーは271件、ペット移動用ケージを含む家・家具は253件、運動・遊び装置は205件、給水・給食器は178件であることが分かった。

特に、衛生・美容分野は「排便パッド」や、「排便をセンサーで感知して自動的に処理する装置」などの排便処理用品が52.7%と多数を占めている。排泄物の処理がペットを飼う際の主な隘路事項であるだけに、これを解決するための要求が特許出願に反映されていると分析される。

また、ペット用品の中でもモノのインターネット(IoT)のような情報通信技術(ICT)が融合された特許出願が活発になった。モノのインターネットが融合された出願が2014年の28件から2018年には66件と2倍以上増えた。

細部技術分野別では、運動・遊び装置分野が28.9%と最も多く、ウェアラブルデバイスを装着した衣類・アクセサリーが24.3%と次いでいる。また、給食・給餌器は20.1%、衛生・美容設備は13.0%、家・家具は10.9%、虹彩または鼻紋(鼻の指紋)認識設備を含むその他が2.8%だった。

主な技術には、ペットに付けられたセンサーを基盤に体温、運動量などペットの健康、感情および位置をリアルタイムで確認できる技術がある。これにより、ペットの紛失や安全事故の危険を減らし、体系的に健康を管理することができると予想される。

また、家に残されたペットのために温度・湿度などペットの住居環境をコントロールしたり、水と餌を自動的に与えてくれる技術、ボール遊び器具を遠隔操作したり、声を聞かせてくれる技術もある。社会活動および単身世帯が増えている中、ペットに対する心配を軽減できると期待される。

一方、出願人の類型を見ると、個人が68.1%と最も多く、企業が2014年の20.7%から2018年には26.7%と増加傾向にある。特に、大企業は2014年に0件だったのが2018年には31件と大きく増えた。これは情報技術が融合された出願が増えているためと分析される。

特許庁農林水産食品審査課長は「共に暮らす家族構成員としてペットを飼う人が急増している(※)」とし、「ペットへの関心と愛情をもとに、多様で独創的なアイデアが融合された特許製品が増えることを期待している」と述べた。

※ペットを飼う世帯数:(2012年)1,812万世帯のうち、17.9%の324万世帯 →(2017年)1,952万世帯のうち、29.4%の574万世帯と推定(出所:韓国農村経済研究院)

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