知的財産ニュース 韓国の政府出損研究所、素材部品特許の海外出願活動が低調

2019年9月27日
出所: 電子新聞

政府出損研究所が、素材・部品に関連する特許の海外出願活動をほとんどしていないことが分かった。これは研究成果が不十分であるか、または海外特許に関する管理戦略を樹立していないということを意味する。

大韓弁理士会が9月27日に発表した、「素材・部品基盤技術の国産化に向けた源泉特許対策特別委員会の活動結果」によると、日本の輸出規制品目である半導体素材・部品関連の3品目に対する特許の量的・質的部門で、韓国は日本より大きく遅れていることが分かった。

フッ化ポリイミドの場合、自国出願に対比する海外出願の割合が、韓国は40%にとどまっているが、日本は53%に上っている。海外出願国家の数も韓国は2.4ヵ国で、日本は3.6ヵ国であった。

韓国化学研究院(38件)、KAIST(12件)、延世大産学研(11件)など、韓国内の出損研究所などが保有しているフッ化ポリイミドに関する特許112件の中、日本で登録されている技術は一件もなかった。

対策特別委員会は、「国内でしか特許を出願していないのは、該当技術の水準が高くないか、または海外出願に対する認識不足である」とし、「一部の出損研は明確な特許戦略なしに、中身のない特許を量産しているのが現状である」と指摘した。

フォトレジストの場合は、韓国における登録特許の64%を日本が占めている。韓国はわずか27%に過ぎない。

日本内での特許も日本が85%と最も高い割合を占めており、韓国は3.7%にとどまっていた。日本と韓国の相手国家における出願割合を見ると、日本が17倍も多かった。

主に、半導体工程で回路にパターンを形成する「エッチング」工程で使われるフッ化水素も、日本が強勢を見せている。フッ化水素関連特許の半分を日本(46%)が保有しており、続いて米国(25%)、韓国(8%) の順である。世界市場における日本のシェアは70%以上で、韓国では95%以上を日本製の高純度フッ化水素を輸入している。

対策特別委員会は、フッ化水素に関する研究開発による技術自立と同時に、短期的戦略としては米国企業との積極的なライセンスなどを通じて、技術水準を高める必要性があると診断した。

対策特別委員会小委員長(弁理士)は、「企業は技術が優秀であったり、海外市場を目指している場合に海外出願をする」としつつ、「日本が韓国に比べて海外出願が多いというのは、日本が優秀な技術を韓国より多く保有しているか、または技術を特許として保護しようという意志が韓国より強いということを意味する。」と説明した。

委員長は、「主要素材・部品における日韓の特許を分析した結果、量的水準はもちろん、海外特許の割合などの質的水準でも韓国は劣っている」とし、「民間が投資しにくい最先端技術分野における、知的財産(IP)-研究開発(R&D)による特許競争力の向上に向けて、積極的に努力しなければならない」と強調した。

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