知的財産ニュース 特許庁長、半導体設備の中核部品製造企業を訪問

2019年8月12日
出所: 韓国特許庁

特許庁長は、8月12日(月曜)、忠淸南道牙山(アサン)市に所在する、半導体設備部品の製造企業である(株)ポイントエンジニアリングを訪問して、日本の輸出規制に対する現場の意見を聴取する時間を設ける。

現場訪問概要
(1)日時/場所:8月12日(月曜)16:30~18:00、(株)ポイントエンジニアリング
(2)参加者:(特許庁)庁長、産業財産創出戦略チーム長など、(ポイントエンジニアリング)代表など役職員
(3)内容:隘路事項聴取、素材・部品企業のための支援策の模索など

今回の訪問は、韓国の中小企業の素材・部品の競争力を強化するために、半導体設備の部品分野で優秀な技術力を保有する強小企業の意見を聴取して効果的な支援対策を模索するために設けられた。

(株)ポイントエンジニアリングは、特許庁のIP連携研究開発(IP-R&D)(※)の戦略支援事業を通して、半導体設備の中核素材である陽極酸化アルミニウム(※※)(AAO)の慢性的な問題を解消した新しいAAO素材を開発して製品化に成功した。

※IP連携研究開発(IP-R&D):特許(IP)分析を基盤に、最適なR&Dの方向と優秀な特許確保戦略を支援する特許戦略コンサルティング
※※陽極酸化アルミニウム(AAO:Anodic Aluminum Oxide):軽度、絶縁性などを高めるために表面を人工的に酸化処理したアルミニウム基板

このような技術力を基に、(株)ポイントエンジニアリングは、グローバル半導体設備企業から独占納品契約と投資誘致に成功しており、売上も2倍以上成長するなど、素晴らしい成果を挙げている。また、2019年はKOSDAQ(コスダック)にも成功的に上場した。

最近は、プローブカード(※)など、国内の対日依存度が高い半導体の中核素材・部品に対する開発も行われており、今後、関連市場での善戦が期待されている。

※半導体の動作を検査するために、半導体チップとテスト設備をつなげる装置(プローブカードに装着されているプローブの針がウェーハと接触しながら電気を送り、その時に帰ってくる信号で半導体チップの不良を選別する)

特許庁は、3大素材に対する日本の輸出規制措置の発表以降、対日輸出規制対応タスクフォース(TF)を構成して、早期の技術開発を通して国産化が急がれる中核品目に対する特許分析を支援するなど、関連部処と緊密に協力して輸出規制に対応している。

また、8月5日に発表された政府対策の「素材・部品・設備競争力強化対策」に基づいて、素材・部品・設備分野の戦略品目に対して、代替技術の確保に向けたIP連携研究開発の戦略支援を拡大していく計画である。

特許庁長は、「素材・部品・設備分野において、日本などの先導国が構築した特許の障壁を克服し、独自の技術開発によって技術大国を実現するためには、必ず、特許ビッグデータの分析による綿密な研究開発の戦略策定が先行されなければならない」とし、「韓国をホワイト国から除外した日本の措置に対応して、韓国企業の知財権関連の隘路事項の把握、支援方策の整備、関係部処との協力および協業などを通して、代替技術の開発と新技術の確保を支障なく推進する」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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