知的財産ニュース 韓国政府、産業財産権侵害の「模倣品韓流」製品13万件押収、「対応強化」

2019年7月11日
出所: 電子新聞

韓国政府は、2018年からの海外韓流便乗企業の取り締まりにより、約13万件の製品を押収したと明らかにした。当面の措置は取ったが、依然として韓国企業の産業財産権を侵害する現地企業の営業が横行しているため注意が必要である。政府は対応を強化する方針である。

7月10日、特許庁と大韓貿易投資振興公社(KOTRA)によると、韓国政府は、2018年下半期に、アジアの主要市場で現地機関と協力して13万件以上の模倣品韓流製品を押収した。

現地機関が押収した製品は、大半が生活用品である。化粧品をはじめとする洗浄用品、キャラクター商品が主であった。国内企業の著作権、デザイン権、商標権、実用新案などの産業財産権を侵害した製品である。

最も大きな取り締まり実績は、ベトナムでの取り締まりだった。2018年7月にベトナム市場管理局と協力して韓流便乗企業の店舗を取り締まった結果、57の店舗から5億ドン(VDN)(約2,500万ウォン)規模の12万8,600個の製品を押収した。

これらの店舗は、ベトナム競争管理局から行政処罰を受けた。ベトナム当局は、中国系企業のMUMUSOだけに1億ドン(約500万ウォン)の罰金を賦課した。続いて8月は、タイ政府と協力して現地のMUMUSO店舗を一斉に取り締まり138品目において1,309点を押収した。

また、韓流便乗企業の本拠地である中国と協力して自助努力を誘導した。韓国政府は2018年12月、広州市所在の市場監督管理局と経済検査局に対して、三つの韓流便乗企業関連の取り締まりを要請した。自国機関の警告を受けた当該企業は、2019年に五つのブランドの23品目について自主撤退しており、在庫は廃棄して、追加の生産は行わないことにした。

韓流便乗企業は、ハングル、韓国国旗、コリア(Korea)など、韓国のイメージを売りにして、韓国企業の模倣品を販売する会社を総称する。MUMUSOが代表的な企業である。

これらの企業は、韓国で法人を設立して商標権を登録した後、中国法人との委託関係を利用して、まるで韓国企業のように見せかけるビジネス戦略を取る。この課程で韓国企業の産業財産権侵害が頻繁に発生する。

韓流便乗企業は、依然として事業を拡大している。特許庁は、2019年上半期に調査専門機関を通じて韓流便乗企業の海外進出有無と店舗状況を調査した。

2019年5月基準で、計10の業者が世界で1,499の店舗を運営している。代表格のMUMUSOは、344の店舗を運営しながらビジネス地域を広めている。 韓流便乗企業による韓国企業の産業財産権侵害が相次いでおり、政府は対応を強化する計画である。

特許庁は、最近、韓国企業の産業財産権侵害の疑いのある外国企業の権利保有状況と流通実態を調査した。現地のマスコミとソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じて、現地の消費者向けに韓流便乗企業の取り締まり結果を知らせる。8ヵ国に設置されている15の海外知的財産センターより、取り締まり機関を案内するとともに、韓国企業がデザイン権を確保できるように支援する。

特許庁関係者は、「韓流便乗企業は、典型的な知財権侵害ではない新しい類型の被害であるため、先例をつくっていかなければならない」とし、「不正競争と消費者保護の観点から、韓流便乗企業が活動する現地政府と協力して取り締まりを続けていく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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