知的財産ニュース 年間の産業財産権出願、歴代初の50万件突破

2019年12月26日
出所: 韓国特許庁

73年ぶりの成果で、日・米・中に次いで世界で4番目、中小企業が主導

韓国特許庁は、2019年の韓国の特許、実用新案、商標、デザインなどの産業財産権の年間の出願件数が、12月26日基準で過去最大の50万件を突破したと発表した。

これは、1946年に韓国最初の発明が出願されて以来73年ぶりに達成したもので、日本、米国、中国に次いで世界で4番目(※)になる。

※ (1)日本1972年(87年所要)、(2)米国1998年(208年所要)、(3)中国2002年(17年所要)

「世界主要国の産業財産権出願の推移(1946~2019年)」 1

※ 中国の年度別出願件数(万件): (2001)46 → (2002)62 →(2012)367 → (2015)558 → (2018)1,146

2019年末(12月31日)基準では、2018年集計の480,245件より6.3%増加した約51万件の産業財産権が出願されると予想している。

権利別では、商標出願が2018年より10.4%増加し、特許とデザインもそれぞれ4.2%、2.6%が増加すると見通している。

「2019年産業財産権に対する権利別出願の予想件数(2018年比)」 2

一方、2016年から小幅な減少を示した特許出願件数が2018年から増加傾向に転じ、2019年にさらに増加ぶりを見せたのは、第四次産業革命時代に企業の技術競争力が高まっている側面から見ればポジティブな状況である。

出願人の類型別では、中小企業の産業財産権の出願が2018年に比べ10.4%増加し、今回の50万件突破を主導し、個人、大手企業もそれぞれ7.9%、6.7%ずつ増加すると予想される。

特許の場合、中小企業の出願が全体の23.3%(5万1,000万件)、続いて外国人(21.6%)、個人(19.9%)、大手企業(17.5%)の順になると把握している。

特に、中小企業の特許出願件数は2015年から大手企業の件数を上回っており、韓国の特許市場が既存の大手企業中心から脱却し、中小企業中心に発展していることが分かる。

「出願人類型別の特許出願件数(直近6年)」
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米国、日本のようなG7の場合、特許成長とGDP成長との密接な相関関係を見せており(注1)、韓国もこれまでの国内での特許出願件数とGDP 規模との明確な相関関係を見せていることが明らかになった。

「1970~2018年、韓国GDPと特許出願間の相関関係グラフ」 4

そのため、2019年における歴代初の50万件達成のような産業財産権出願の増加は、今後の韓国の経済成長を期待できる前向きな兆しとしてとらえることができる。

特許庁の情報顧客支援局長は「今年、韓国の経済環境が米・中の貿易紛争、日本の対韓貿易規制などにより、困難な状況だったにもかかわらず、企業が技術開発などを通じて、産業財産権の出願を増やしたのは第四次産業革命時代に備えた確実な未来投資であると思っている」とし、「これから政府も韓国企業が産業財産権をより容易に取得し、それが保護され、活用できるよう制度改善や支援施策の推進に最善を尽くしていく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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