知的財産ニュース ホログラム・ディスプレイ、K-POPブームに拍車をかける

2019年12月12日
出所: 韓国特許庁

フローティング・ホログラム(Floating hologram)の特許出願増加、中小企業・個人が中心

5Gの商用化により大容量の動画転送が可能になり、リアルな映像を提供するホログラム技術が新たに注目されている。2019年5月にKTはソウル市麻浦区にある「K-Live」ホログラムステージで、世界初の5Gネットワークとフローティング・ホログラム(注1)を活用し、韓国と米国をリアルタイムでつなげる舞台を披露した。「K-Live」のようなホログラムステージでフローティング・ホログラムを利用して韓流コンサートとミュージカルを上演し、K-POPのブームをより盛り上げている。

フローティング・ホログラム技術が注目を浴びており、それに関連する特許出願も増えている。特許庁によると、ここ10年間(2009~2018)のフローティング・ホログラム関連出願は75件で、2012年まで3件に過ぎなかったが、2013年以降、本格的に出願が行われてから毎年平均で、24%ずつ出願量が増加していることが明らかになった。

出願人別の割合は、中小企業30.7%、個人24.0%、大手企業24.0%、大学研究所18.7%、その他2.6%で、特に中小企業や個人の出願が目立っている。

中小企業や個人の出願が目立つ理由として、フローティング・ホログラム分野はすでに商用化されている分野であり、そのハードルが低く公演・展示・ゲーム・広告など、さまざまな分野での活用を模索する段階に入っているため、中小企業や個人のクリエイティブなアイデアに基づいた出願が活発に行われたためであると分析している。

一例を挙げれば、スマートフォンを映像ソースとして活用し、小規模の舞台を演出するホログラム表示装置、ユーザーを撮影してユーザーのバーチャルアバターをフローティング・ホログラムで表示するゲーム装置、スマートフォン・スタンドでも使える携帯用ホログラム表示装置、博物館展示用ホログラム表示装置など、さまざまな分野での活用アイデアに基づいた発明が出願されている。それにより、フローティング・ホログラムを活用したさまざまな市場が創出されることを期待している。

大手企業の出願は通信会社3社(KT、SK Telecom、LGU+)の出願が72.2%を占め、5Gの商用化により超高速通信網とフローティング・ホログラムを結合した、さまざまな応用方法を活発に研究していることが明らかになっている。

特許庁のディスプレイ審査課長は「フローティング・ホログラム技術はその活用領域を拡大している段階として、クリエイティブなアイデアに基づき多様な事業アイテムが発掘できる分野である」とし、「まだ、初期段階であるホログラム・ディスプレイ市場において、韓国企業が優位を取るためには、収益性の高い高品質の特許を確保することが重要である」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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