知的財産ニュース デザイン制度先進五庁(ID5)、未来の発展方向に対する議論始める

2019年12月12日

グローバルデザイン規範作りに向けた協力に合意

世界5大特許庁のデザイン分野の協議体であるID5(※)は、グローバルデザイン制度の調和のため協力方向を設定する、新たな協力ビジョンを採択する。

※ID5 (Industrial Design 5 Forum): 世界のデザイン出願の70%以上を占める韓国、米国、中国、日本および欧州の5ヵ国(地域)の知的財産庁間のデザイン分野の協議体で、2015年に発足

12月12日に日本で開催されるID5 年次会議で韓国特許庁をはじめとするID5は、変化する環境に対応するための効率的でカスタマーフレンドリーなグローバルデザイン制度確立にむけた協力に合意する共同宣言文を発表する予定である。

新たに設けられるビジョンを実現するため、各国のデザイン出願手続きを統一し、海外出願の利便性を図ることができるデザイン実務勧奨案の作成、インターネットでの引用参証(先行技術の提示)に関する審査慣行と手続きに関する研究、各庁の品質業務の共有、3Dプリンティングとデザイン保護など現行推進プロジェクトの協力をさらに強化していく。

それとともに、13日にはユーザーセッションを開催し、ID5がこれまで行った協力の結果をユーザーに公開し、未来の発展方向に対するユーザー意見を受け入れる予定である。今回のセッションでは、韓国で韓国知識財産協会がユーザーの団体として参加し、グローバルデザイン制度の発展方向に関する韓国ユーザーの意見を提案する。

一方、特許庁はID5のウェブサイト(id-five.org)の構築と運営において、ユーザーとの疎通に中核的な役割を果たしてきた。ID5 のウェブサイトは5ヵ国のデザイン分野での情報共有の場として、各国デザイン・優先権制度の比較など、17の共同協力事業に関する説明と推進経過を紹介してきた。

首席代表として、当会議に参加する韓国の商標デザイン審査局長は「ID5体制が発足して以来、ここ5年間は協議体の相互理解を深めていくことに集中してきたが、これからの協力は共通のデザイン規範づくりのため、より積極的な相互協力が必要になっていくと思う」と評価し、「当庁はID5ウェブサイトの運営により各国との疎通だけではなく、ユーザーのフィードバックを強化することで、各国とユーザー間の疎通において中核的な役割を果たしていく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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