知的財産ニュース オンラインで無断流通されるソフトウェア、特許で遮断する

2019年12月12日
出所: 韓国特許庁

オンライン転送ソフトウェア保護関連改正法施行予定(2020年3月11日)

他人の特許発明を盗用したソフトウェア(SW)をオンラインで販売する場合に特許侵害にあたるのか。侵害可否に対する答えは、改正特許法が施行される3月11日を前後にして変わる。今は、「いいえ」が正解。

SWは、特許法上の保護対象である物に含まれないため、方法の発明(※)を具現するSWは、USBなどの記録媒体に盛り込まれ、オフラインで流通される場合に限って保護された。

※(例)自動車速度に連動してオーディオの音量を自動で調節する方法

SWの流通環境がオンライン中心で変わりつつあることを受け、特許庁は、2005年から特許発明が含まれたSWが、オンラインで無断流通されないよう、法改正を推進してきた。

SWを特許対象に含む最初の改正案は、侵害対象が過度に拡大されることで関連産業が委縮される可能性を懸念する民間団体の反対と所管部処の判断により、継続的な協議にもかかわらず、数回にわたる法改正が実現しなかった。

特許庁は、特許権者の利益と関連産業の保護という2つの利益を両方とも保つために、オンラインで無断流通されるSWを遮断する最終案を導出することで改正法が通過するきっかけを設けた。

一方、特許発明が含まれたSWがオンラインで転送(※)できるとしても、すぐに特許侵害にあたるものではない。改正法は、侵害することを認識しつつもSWを不法で流通する販売者の特許侵害を防ごうとするものであり、個人的な使用または家庭における善良な使用は侵害行為にあたらないと定めた。

※単純なSW転送、クラウドコンピューティングを利用したSWのアップロード・ダウンロードなど

特許庁長は、「今回の改正法により、オンラインで流通されるSWを保護し、公正なSW産業競争に寄与できる」としつつ、「AI、ビックデータ分析などの第四次産業革命時代における中核技術と言えるSWを合理的に保護することで、関連スタートアップや中小企業の技術保護に役に立つことを期待する」と明らかにした。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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