知的財産ニュース 特許庁、「海外IP保護優秀事例の統合発表会」を開催

2019年12月2日
出所: 韓国特許庁

海外進出企業のため、知財権紛争解決戦略を共有する場を設ける

特許庁は12月 2日(月曜)午後2時にソウルのインペリアルパレスホテルで、海外知財権紛争の対応支援成果と優秀事例共有のための「海外IP保護優秀事例の統合発表会」を開催すると発表した。

今回の発表会は輸出企業の知財権紛争に対する懸案を効果的に解決するため取り組んでいる「海外知財権紛争対応支援事業」での優秀事例を企業間で共有する場である。

  • 「海外知財権紛争対応支援事業」の概要
    韓国内外の知財権専門家が輸出企業(または、協議体)に海外の競合との特許紛争リスクを調査して関連情報を提供し、紛争が発生すると警告状対応から交渉、訴訟などに必要な対応戦略を提供

発表会では8件の優秀事例を紹介する予定であり、代表事例は次のとおりである。

韓国企業A社はアクセサリー製造・販売企業であり、中国で色々な経路で模倣品が流通されていることを確認し、IP紛争コンサルティングを申し込んだ。まず、侵害現状を綿密に調査し、侵害の規模が大きい中国の3社と確定、その会社が販売している模倣品と侵害の規模を分析して警告状を発送、中国最大オンラインショッピングモールであるアリババでの偽造品取引停止を実施した。その結果、侵害した会社とライセンス契約を締結し、売上が大きく伸びる(前年対比25%増)など、中国市場に安定的に進出するための架け橋となった。

韓国の飲食フランチャイズ店B社は韓流ブームを追い風に中国に進出したが、商標が商標ブローカーにより先取りされたことに気付いた。これを受けて、同じ被害を受けた企業(53社)と 大規模の共同対応協議体を構成し、企業共同で共通被害証拠, 共同嘆願書などを提出した。その結果、相対的に中国で認知度の低い企業が個別で対応するよりも効果的に商標ブローカーの悪意性を立証し勝訴することができた。現在44社に対する無効宣告を受けており、9社は進行中である。

  • 商標ブローカー:商標を使用していないのに、他人の商標を無断で先取りし、商標売買などで利益を得る者を言う

発表会に参加した企業関係者は「不意に海外競合との特許紛争に巻き込まれるか、悪意的な商標盗用により苦労している状況の中、特許庁の海外IP保護支援事業のおかげで海外市場に安定的に進出できるようになり、海外市場に進出する際、早速知財権を確保しておくことの重要性を切実に感じた」と、海外知的財産保護の必要性を強調した。

特許庁の産業財産保護協力局長は「今回の発表会が輸出企業の知財権紛争への対応ノウハウを共有するにあたって大きな力になることを期待している」とし、「特許庁はこれからも企業との持続的な疎通と政府イノベーションを通じて韓国企業が海外での知財権紛争を迅速かつ効率的に解決できるよう様々な支援政策を推進していく予定である」と述べた。

今回の海外IP保護優秀事例統合発表会に関する詳しい内容は、特許庁産業財産保護支援課(+82-42-481-5214) または、韓国知識財産保護院(www.ko-ipa.re.kr、+82-2-2183-5872、5898)に問い合わせすれば良い。

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