知的財産ニュース 特許庁、「第4回知識財産革新企業協議会総会」開催

2019年12月2日
出所: 韓国特許庁

IP-R&D成果を共有し、特許基盤の研究開発拡大

特許庁は11月29日(金曜)午後2時、ソウルシェラトンパレスホテルで、産学研に特許基盤の研究開発(IP-R&D)戦略を拡大するための「第4回知識財産革新企業協議会総会」を開催すると発表した。

IP-R&Dとは、R&D初期から特許ビッグデータを活用して最適な技術開発方向を探り、空白技術(まだ特許として登録されていない空白の領域)に対して優秀特許を先取りする戦略である。

「知識財産革新企業協議会」(以下、協議会)は、特許庁が支援しているIP-R&D事業に参加した産学研がIP-R&Dの成果共有および拡大のため2014年4月に結成した協議体である。

当行事では、知識財産革新企業協議会の会員と産学研のR&D関係者、特許分析専門家など約200人が参加して特許戦略に関する優秀事例を受賞し共有する様々な行事が開催される。

主要行事としてIP-R&D、保有特許の診断・管理などに関する様々な授賞(※)、2019年度IP-R&D優秀事例共有、素材・部品・設備産業の対応戦略の特別講義などが予定されている。

※2019年IP-R&D優秀機関、2019年公共機関保有特許優秀管理機関および2019年特許データソン(Datathon)受賞者への授賞

2019年に6回目を迎える「IP-R&D優秀機関賞」はIP-R&D支援事業に参加した産学研の中で、IP創出、商用化および技術移転、売上拡大など優秀な成果を出した機関に与えられる賞である。

最優秀賞(韓国産業通商資源部長官賞)は、㈱Tannus、abion㈱、㈱Shinsung E&G、優秀賞(特許庁長賞)は、㈱Gosan Tech、Conet-sys㈱、国民大学産学協力団、奨励賞(韓国特許戦略開発院長賞)は、 ㈱スマートシティグリッド、韓国電子通信研究院、Korea Pallet Pool㈱が受賞した。

公共機関保有特許診断支援事業(※)を通じて、効果的な特許管理能力を見せた機関を励ますため新たに設けた「公共機関保有特許優秀管理機関賞」は、韓国エネルギー技術研究院が最優秀賞(特許庁長賞)を、韓国標準化学研究員が優秀賞(韓国特許戦略開発院長賞)を受賞した。

※大学・公共研究機関の未活用特許の割合削減および特許維持への負担を下げるため、保有している特許に対する診断とカスタマイズ型管理戦略を提供する事業

一方、特許庁では特許ビッグデータ分析の専門人材養成を目的とし、8月に「特許データソン大会」をパイロット開催し、特許データを活用した優秀なアイデアで社会問題を解決できる方策を提示することで、政府イノベーションの価値を実現したチームへの受賞も当日行う予定である。

「2019年特許データソン大会」の最優秀賞(特許庁長賞)は、キム・ヒョグァンの外3名(チーム名:オゾ)の「二次電池パウチセルフィルム」、優秀賞(特許庁長賞)は、ムン・ミンゴンの外3名(チーム名:ミントチョコ)の「眠り防止用ヒアラブル」とキム・ドヒョンの外1名(チーム名:シグナル)の「ニューロモーフィック半導体特許分析」が選ばれた。

当日、2019年IP-R&D最優秀機関として選定された㈱Tannusは、後発の競合の模倣を防止するため、強力な特許ポートフォリオ構築事例を紹介し、研究開発時の特許戦略の重要性を改めて強調すると期待している。

行事の後半では、チョ・ヨンドク教授(高麗大学技術経営専門大学院)が過去サムスン電子で勤務した経験に基づき、最近日本の対韓輸出規制措置による、素材・部品・設備産業の対応戦略確立に関する講義をする予定である。

特許庁長は、「最近、対韓輸出規制により、研究開発現場では特許ビッグデータ分析で最適な技術開発の方向を探るIP-R&Dの重要性がますます高まっている」とし、「IP-R&Dの優秀事例を持続的に発掘し、研究開発現場に拡大できるよう最善を尽くしていきたい」と述べた。

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