知的財産ニュース サウジアラビア審査官を対象にした、IP分野初の定例化教育実施

2019年12月2日
出所: 韓国特許庁

2024年まで毎年特許・商標・デザインなどカスタマイズ型教育

韓国特許庁は、特許審査官10人、商標審査官5人で計15人のサウジアラビア審査官を対象にした「サウジアラビア審査官教育課程」を、12月 2日(月曜)から13日(金曜)まで、特許庁国際知識財産研修院で開設・運営すると発表した。

2019年3月、韓国特許庁とサウジアラビア知的財産庁は、サウジアラビア審査官の能力強化のためプログラムを運営することに相互合意し、今回の教育はそれによる後続措置として初めて運営する過程である。

韓国特許庁はサウジアラビア知的財産庁と2018年9月に知的財産協力に向けた業務協約を締結して以来、韓国特許庁の専門家をサウジアラビアに派遣し、知的財産政策立案や情報システム開発を支援するなど、サウジアラビアの国家成長戦略である「ビジョン2030」の達成に向けてサウジ政府が取り組んでいる「知的財産エコシステム造成事業」を遂行している。

サウジアラビア審査官を対象にした教育は、2014年から2016年まで3回実施され、これまでの教育課程は希望による一過性の教育課程だったが、今回の教育課程は韓国特許庁とサウジアラビア知的財産庁間の戦略的協力に基づき、定例化・体系化された課程であるため、意義深いことであると言える。

当教育課程の運営は両機関の合意内容により特許、商標、デザインなど、知財権分野全般を取り扱っており、2024年3月まで毎年1回行う予定である。

さらに、サウジ知的財産政策の立案を支援している韓国特許戦略開発院と共同で今回の教育課程を運営し、サウジの知的財産エコシステム造成事業と効率よく連携できるようにしている。

当教育課程はサウジアラビアの特許および商標審査官の審査能力の強化が目的であり、そのため特許・商標別理論だけでなく、意見書作成などの実務と審査事例の実習およびそれに対するメンタリングまで含めたカスタマイズ型プログラムを構成している。

韓国特許庁の国際知識財産研修院長は「今回の教育課程がサウジアラビア審査官の審査能力をアップさせるきっかけになり、韓国特許庁とサウジアラビア知的財産庁との協力関係をより強くする起爆剤となる」とし、「両国間の協力が成功すれば、韓国の知的財産システムの輸出において、より改善された知的財産環境を求める他の国にもポジティブな影響を与えるはず」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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