知的財産ニュース 地域中小・ベンチャー企業へのIP金融支援に向けた業務協約締結および第2回知的財産(IP)金融フォーラム開催

2019年11月28日
出所: 韓国特許庁

金融委員会・特許庁・地方銀行・保証機関がIP金融活性化に向けて協業

金融委員会と特許庁は11月28日(木曜)午前9時、ソウルの63コンベンションセンターで地域中小・ベンチャー企業へのIP金融支援に向けた業務協約を締結し、「第2回IPフォーラム」を開催した。

当日の協約式では、信用保証基金と技術保証基金の各理事長、銀行連合会長をはじめとする地方銀行長(※)および金融関係者の約120名が参加した。

※釜山銀行、広州銀行、済州銀行、全北銀行、慶南銀行、大邱銀行(6銀行)

2018年に、金融委員会・特許庁が発表した「IP金融活性化総合対策」をきっかけにIP担保貸付が活性化している。国策銀行はもちろん、5大民間銀行(※)がIP担保貸付を取り扱っており、2017年に866億ウォン、2018年に884億ウォンだった新規担保貸付が2019年10月基準で2,360億ウォン規模に拡大された。

※2019年5大民間銀行(新韓、KB、ウリ、KEBハナ、農協銀行)がIP担保貸付商品を発売

また、2019年の上半期に特許庁が実施したIP担保貸付の実態調査によると、銀行は特許を担保にして信用格付けが低い企業(※)にも貸出を行い、貸出企業の75%が信用貸付より金利優遇を受けていることが見られる。 ※54社の調査結果、格付けの高いBBB-以上の企業より、格付けの低いBB+以下で企業への貸付が活発である(49社、調査企業90.7%)

しかし、このような努力にもかかわらず、IP金融支援は首都圏の企業に集中しており、ここ5年間、IP保証・担保・投資金額の68%(※)がソウル・京畿地域に供給されたことが明らかになっている。

※特許庁のIP価値評価と連携した首都圏への供給割合(2015年~2019年10月、%): IP保証(53.6%)、IP担保(66.2%)、IP投資(79.2%)

今回の業務協約締結により、資金調達が困難な地域中小・ベンチャー企業の状況が改善され、IP金融が地域全般に拡大されることを期待している。2019年10月、釜山銀行がIP担保貸付商品を発売し運営しており、来年に特許庁と地方銀行が細部業務協約を締結し保証貸付, IP担保貸付の運営を推進する予定である。

それに加え、第2回IP金融フォーラムでは、IP金融の主要懸案に関する発表と熱のこもったディスカッションが行われた。主な内容は「IP金融現況と政策方向の紹介」(特許庁)、「IP担保貸付の優秀事例と持続的活性化に向けた提言」(新韓銀行)、「IPイシュー中心の韓国型一括担保制の導入方策」((株)多来戦略事業化センター)である。

金融委員会の委員長は「IP金融はイノベーションに満ちた知的財産の創出と拡散のための原動力である」とし、「IP金融の活性化が「イノベーション金融」につながるよう、一括担保の導入、技術-信用評価の統合を滞りなく推進するつもりである」と述べた。

特許庁長は「第四次産業革命において、知的財産がイノベーション成長の主要エンジンであり、イノベーションを重視する所に資金を供給する金融の役割が重要である」とし、「今回の業務協約の締結により地方銀行のような金融業界と積極的に協力し、優秀なIPを保有している地域中小・ベンチャー企業をイノベーション企業へと成長させるための支援に力を入れていくつもりである」と述べた。

詳細な内容は特許庁産業財産活用課(+82-42-481-5807)、韓国発明振興会知識財産経営室(+82-2-3459-2942)に問い合わせれば良い。

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