知的財産ニュース 特許庁、BTS関連の偽造商品に対する取締および啓導を実施

2019年10月23日
出所: 韓国特許庁

10月末、BTSのソウルコンサート会場の周辺で、商標権者と合同取締を予定
BigHitエンターテインメントと共に、偽造商品の購買自粛に関するキャンペーンも実施

K-POPの世界的な人気に伴い、人気歌手に関する商品市場も拡大している中で、これらの商品を模倣した偽造商品の製造・販売流通など商標権侵害行為も日々深刻になっている。

2018年にオリンピック主競技場で開かれたBTSのコンサートは、数万人のファンが集まり盛況のうちに終わった。また、会場周辺の地下鉄駅の通路から出口、会場の入口にはファングッズや応援グッズを販売する業者と、これらを見物するファンでにぎわっていた。

しかし、この販売業者の製品のほとんどは正規品ではない偽造商品で、BTSの商標権や肖像権を侵害する製品であり、販売業者らは露店などを設置し、大量の偽造商品を展示・販売したり、ひそかに客引きする立ち売りも大勢いた。

また、韓国の有名なオンラインショッピングモールでBTS関連商品を検索すると、衣類・帽子・鞄から文具類、アクセサリーに至るまで、ショッピングモール当たりに少なくは数千件から多くは数十万件の商品が販売されているが、これらのほとんども偽造商品である。

特許庁は、韓国を超えて世界的に人気を集めている、K-POPの代表的なアイドルグループであるBTSの所属事務所BigHitエンターテインメントと共に、BTS関連の偽造商品の流通など、商標権侵害行為の根絶に向けた啓導と取締を実施することにした。

特許庁は、オン・オフラインにおいてBTS関連の偽造商品を常習的に大量供給・流通する業者を対象に取締を企画する。特に10月26日、27日、29日にソウルの蚕室(チャムシル)オリンピック主競技場で開催予定のBTSのコンサート現場では、BigHitエンターテインメントと共に取締を行う。

また、BigHitエンターテインメントはBTSの公式チャンネルを通じて、偽造商品の購買を控え、舞台の当日に特許庁と合同取締を行うという内容を、一般の消費者およびBTSのファンに通知する予定である。

特許庁産業財産特別司法警察は、9月30日のBigHitエンターテインメントからの情報提供を基に、BTS関連の偽造商品をオン・オフラインのチャンネルで流通した4卸売業者を対象に取締を行い、事件の関連者を刑事立件し、現場で文具類、衣類・雑貨およびアクセサリーなど数千点の商標権侵害物品を押収したことがある。

該当の業者は、ノート・カレンダー・ペンケース・手帳などの文具類、Tシャツ・帽子・マスクなどの衣類から、傘・財布・座布団などの雑貨、キーホルダー・ブレスレットなどのアクセサリーまで、多くの物品にBTSの商標を付着して正規品のように流通した疑いがある。

特許庁長は、「BTSは、韓国はもちろん、世界中で韓国の代表的な文化アイコンとして知られており、BTS関連の商標を盗用した偽造商品の流通は、商標権者およびアーティストの名声に被害を与えることに留まらず、韓国のイメージにも悪影響を及ぼす」としつつ、「BTSをはじめとするK-POP韓流が、持続的に拡散・成長するためには、商標・デザインなどの知的財産の迅速な確保と当時に、彼らのコンテンツを活用した利益創出の安定的な好循環に向けた知的財産の保護に、一層努力しなければならない」と述べた。

BigHitエンターテインメントは、「今回の特許庁との協力を基に、ファンと消費者が偽造商品の購買による被害を受けないよう努力し、また、アーティストの肖像権、商標権などの管理をさらに強化して行きたい」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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