知的財産ニュース 特許庁と韓国信用情報院、知的財産金融の活性化に向けた業務協約を締結

2019年9月25日
出所: 韓国特許庁

イノベーション企業向けの知的財産金融支援、スピードを上げる

特許庁と韓国信用情報院は、優秀な知的財産(IP, Intellectual Property)を保有している中小企業を対象にした資金供給を促すため、9月24日午前11時、全国銀行連合会(ソウル市明洞)で業務協約を締結した。

今回の協約により、市中銀行と投資機関が信用情報院を通じて、IP担保融資、IP基盤投資のための優秀IP保有企業をワンストップで発掘でき、知的財産金融がより一層スピードを上げられるようになった。

4月に行われた政府と市中銀行間の「IP金融活性化に向けた包括的業務協約の締結」以来、IP担保融資の参加銀行(※)が増え、融資の実績も急増(※※)し、優秀特許保有企業の発掘に対する需要が増加している。しかし、金融機関がこのような企業を独自的に発掘するには限界があり、融資の時に参考できるIP情報を探すのも難しいのが実情だった。

※IP担保融資の参加銀行:(2018年)産業銀行、企業銀行 →(2019年)ハナ銀行、新韓銀行、ウリ銀行、国民銀行、農協銀行などが追加 ※※2019年8月まで中小企業188社が1,297億ウォンの融資を受け、前年度の実績(63企業、884億ウォン)を超過、年末まで約1,814億ウォンの融資を予想(前年より2倍増加)

これを受け、特許庁と信用情報院は、特許庁‐金融機関間の情報共有の拡大と知的財産金融の拡大に向けたインフラなどを拡充するために、今回の協約を締結した。

協約の主な内容は、(1)特許庁は優秀な知的財産を保有している企業の情報などを信用情報院に提供する、(2)信用情報院は特許庁からの知的財産情報を銀行などの金融圏に拡散する、(3)知的財産金融情報システムを構築するなどの基盤作りである。

特許庁は特許技術賞の受賞企業、特許連携のR&D支援事業など、各種の政府事業を通じて発掘した優秀特許保有企業の情報、特許価値評価結果の情報、特許取引情報などを信用情報院に提供する。

信用情報院は、金融機関が与信審査などに活用するよう、技術情報データベース(TDB(※))に知的財産金融コーナーを開設し、特許庁から収集した情報を加工・掲載する。

※TDB(Tech Data Base):与信審査と技術信用評価に活用するよう、22万企業の技術信用情報と、約1, 200万件の企業・技術・市場(産業)・統計分析情報などを、銀行と技術信用評価機関に提供している技術情報ウェブサイト

特許庁長は「特許庁は特許基盤のイノベーション企業に対する資金供給を増やすため、銀行の回収リスク軽減に向けた担保IP回収支援事業の推進、IP投資ファンドの造成・拡大など、IP金融の活性化のために拍車をかけている」とし、「今回の業務協約で、優秀IP保有企業の情報などが体系的で迅速に金融機関に拡散され、韓国のIP金融システムが一段階跳躍することを望む」と伝えた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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