知的財産ニュース 中国のオンラインで流通する模倣品の掲示物21,854件を削除

2019年2月25日
出所: 韓国特許庁

1,318億ウォンの経済的効果を生む

美容機器の専門メーカーA社は中国進出を準備する中、事前に中国で商標を出願するなど、製品の保護に万全を期した。しかし、A社は中国のオンラインショッピングモールで流通する、いわゆる「偽物」製品を確認し、慌ててしまった。A社の製品の外観を模倣した製品が全く異なるブランド名で自社製品の半額以下で流通していたためである。

A社は韓国知識財産保護院(以下、保護院)と相談し、中国にデザインを追加で出願することにした。デザイン権利を確保することで、模倣品を取り締まるという判断であった。デザイン権を追加で取得したA社は、保護院が支援する「中国のオンラインにおける模倣品モニタリングおよび代理申告」を利用し、500の模倣品の販売掲示物の削除に成功した。

韓国特許庁は昨年、保護院を通して中国アリババのオンラインショッピングモールで販売される韓国企業の模倣品の販売掲示物21,854件を削除したと発表した。

前年の20,302件に比べ1,552件(約8%)増加し、その規模は正規品の単価ベースで約157億ウォンである。平均販売単価と販売掲示物あたりの平均販売数を換算すると、約1,318億円(注1)に達する。

最近、中国のオンラインショッピングモールで流通するK-ブランドの模倣品は、商標名を盗用する典型的方法に加え、製品の外観を模倣、あるいはウェブサイトのイメージを無断で使用するなど、様相が変わっている。

特許庁はこのような変化に対応し、今年「企業支援専任」方式を導入する。韓国企業の模倣品が中国アリババのショッピングモールで流通することが確認された場合、専門人材による模倣品の流通遮断を支援するだけでなく、被害を受けた企業の模倣品流通状況の分析と対応方法など、詳細情報を提供し、韓国企業の模倣品への対応力強化を支援する。

中国のみならず、ASEANも韓国企業が関心を持つべき地域である。特許庁は今年、保護院とASEAN地域のEC大手ラザダ(Lazada)と結んだ知的財産権保護に関する業務提携を基に、ラザダで流通する韓国企業の模倣品の被害防止と対応のための支援システムを具体化していく計画である。  

特許庁産業財産保護協力局の局長は、「海外での模倣品の流通方法が刻々と変化しており、それに対する対応策が重要である」とし、「特に商標だけでなく、デザイン、特許、実用新案などの企業製品を保護できる権利を多様化して出願する必要がある」と述べた。

中国のアリババグループ、京東(JD.com)、ASEAN地域のラザダで流通する模倣品に対する被害届、モニタリング、相談などは保護院海外協力チーム(02-2183-5883)まで。 

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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