知的財産ニュース 高品質の特許を確保するための中韓間の特許審査協力が本格化

2019年1月2日
出所: 韓国特許庁

中国、世界初で韓国と特許共同審査を今年1月から実施

韓国特許庁は2019年1月1日から中韓間の特許共同審査プログラム(CSP:Collaborative Search Program)を実施すると発表した。

特許共同審査プログラムとは、両国に同一の発明を特許出願(交差出願)した出願人の申請がある場合、両国の審査官がお互いの先行技術調査の結果を共有して審査し、他の出願より優先して迅速に審査するプログラムである。

このプログラムを活用すれば、韓国と中国に共通出願される特許は、両国の協力審査を経て高品質で同一の審査結果を得ることができるとともに、迅速に登録され、安定的に保護されることになる。

特許共同審査プログラム(CSP)は2014年10月に韓国が提案し、現在、韓国と米国、米国と日本の間で実施されている。

2015年9月から米韓間で実施された結果、審査処理期間は平均7.5カ月と一般審査に比べて3.3カ月短くなり、両国の審査結果の一致率も一般交差出願(68.6%)に比べて13.3ポイント増加し、高品質で予測可能な審査結果が迅速に得られることが確認できた。

米韓はこれを基に、2018年5月にCSPを正規のプログラムにすることで合意し、知的財産権の先進国である英国、ドイツ、フランスなど、経済市場規模が大きいブラジル、インド、アセアンなどに拡大推進することにした。

中国は韓国の最大貿易相手国で、2017年時点で海外特許出願に占める国内出願人の割合が19.6%を占める、知的財産権における主な協力国でもある。

*2017年の韓国企業の主な海外特許出願国:米国(1位、35,565件(52.9%))、中国(2位、13,180件(19.6%))、欧州(3位、6,455件(9.6%))

今回、中韓で特許共同審査プログラムを実施することで、中国に事業進出と拡大を希望する韓国企業は中国での特許確保と事業運営が容易になるだろう。

特許審査企画局の局長は、「韓国の貿易相手国1位の中国、2位の米国とで実施する特許共同審査プログラムは、海外に進出する韓国企業に役立つ審査協力プログラムである」とし、「これから本プログラムを、韓国企業の海外市場進出や国際特許審査協力の需要が高い、ブラジルやインド、アセアンなどに拡大し、韓国の中小企業が海外特許権を確保し、グローバルなIP強小企業に成長できるよう、積極的に支援したい」と付け加えた。

詳細については、特許庁のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認でき、お問い合わせは特許庁特許審査制度課(042-481-5400)にすれば良い。

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