知的財産ニュース 特許庁、協力型商標審査が活発
2019年9月18日
出所: 韓国特許庁
商標審査官の増員で審査方法のイノベーションを図る
特許庁によると、商標審査での審査官間の協議審査が活発に行われていることが分かった。
※商標における協議審査の件数:(2017年)1,356件 →(2018年)2,407件 →(2019年6月まで)1,752件→(2019年予想)3,504件
協議審査は、担当の審査官が他の審査官の意見を聴取して審査の方向を決める審査で、一般的に3~6人の審査官が参加する。
商標の協議審査は主に、識別力の有無や類似の可否を判断しにくい出願、新たに登場した新造語のように社会的争点になり得る出願を対象に行われる。
協議が必要な場合、担当の審査官が審査システムを通じて、該当分野で専門性を持つ審査官を指定し協議を要請すると、指定された審査官が意見を提示する形として行われる。そして、その協議結果は記録に残り、全ての審査官が共有することができるため、審査の一貫性の向上に特に効果的である。
商標審査での協議審査が活発なのは、審査人材の増員と、2018年下半期から施行された商標チーム中心の審査品質管理のためである。
特許庁は昨年、商標審査人材9名を増員し、協議審査を強化できる環境を整えた。
これと同時に、審査チーム長をはじめとするチーム員間の活発なコミュニケーションと協議を通じて、審査方向を導き出せるように審査品質管理体系図を改編した。
特許庁は、商標審査の品質をさらに高めるために、協議審査に加えて今年の上半期には討論型共同審査にも着手する計画である。
討論型共同審査は難易度の高い出願に対し、チーム員全員と諮問審査官が集まって討論して結論を出す審査方法であり、すでに試験的実施も行った。
<商標の協議審査と討論型共同審査の相違点>区分 | 対象 | 参加審査官 | 方法 | 遂行場所 |
---|---|---|---|---|
協議審査 | 類似の可否など判断しにくい出願、社会的争点になり得る出願 | 3~6名 (審査官を選択) |
対面(協議)、オンライン | 対面、審査システム |
討論型共同審査 | 同上で難易度がより高い出願 | 8~9名 (チーム員+諮問審査官(※)) |
対面(討論) | 別途の討論場所 |
※諮問審査官:同部署内の他チームの審査官であり、該当分野での専門性を持つ者
特許庁は討論型共同審査を定着させるために、来年をめどに審査官を追加増員する予定である。
特許庁商標審査政策課長は「審査官の増員により協力型審査が強化され、商標審査の結果に対する出願人の受容率が高くなるなど、品質改善の効果が現れている」とし「協議審査の拡大および討論型共同審査の着手により、審査品質が一層向上すると期待される」と述べた。
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