知的財産ニュース デザイン登録に役立つ図面作成の秘訣

2019年4月3日
出所: 韓国特許庁

特許庁、「一人出願人のためのデザイン図面作成ガイドブック」のe-Bookを配布

特許庁は、代理人なしでデザインを出願する一人出願人のデザイン図面作成を支援すべく、事例中心の説明で簡単にデザイン出願ができる「一人出願人のためのデザイン図面作成ガイドブック」を作成、配布したと発表した。

特許庁に出願された2018年のデザイン登録出願のうち、図面の誤作成で拒絶された割合が最も高かったが、その原因の一つはデザイン出願の際、代理人なしで直接出願する割合が最も高く、出願人が図面作成方法を熟知していないことが判明した。

デザイン図面作成の方法は、世界的に通用される共通の約束を守らなければならない。目にみえる通りに描かなければならなく、全体の物品において見えない部分があってはならない。また、出願された図面だけで再び同じ物品を作られる程度に具体的でなければならない。

デザイナーのAさんは、複数のコンピュータ・プログラムを用いて製品のデザインを作成し、デザイン出願を行った。ところが、スピード感を表現するために使用したエアブラシ(airbrush)効果が過度で、デザイン図面の形状が不明確という理由から拒絶された。デザイン図面は鑑賞が目的の作品ではないため、登録されるデザイン以外の装飾や絵画的な表現方法などで拒絶されるということを知らなかったためである。

自営業者のBさんは、図面の代わりに携帯電話で撮影した写真を提出した。しかし、撮影過程で部屋の中の風景や物品の下に置いてあった織物のパターンが写真に写っていた理由で登録拒絶された。登録される物品の写真に、背景が一緒に写ってはならないということを知らなかった。

エンジニアのCさんは、CADで作成した図面をそのままスクリーンショットし、その画像で出願を行ったが、図面に含まれている数値線や補助線、記号などの削除を要請する審査官からの意見提出通知書を受領し、幾度の修正を重ねて登録できた。

デザイン出願のための図面作成は、特許庁で定める基準を守らなければならない。今回発刊されたデザイン図面作成ガイドブックでは、線図、写真、コンピューター・グラフィックなどで表現された図面の実際の登録事例を紹介し、デザインの出願人がよく犯す失敗を中心に分かりやすく説明した。

特許庁商標デザイン審査局の局長は、「デザインの出願において、デザイン図面は出願人の創作意図を理解し安定的な権利保護のための最も重要な部分」とし、「このガイドブックを通じて代理人のない一人デザインを出願する小商工人、中小企業に一助となることを願う」と述べた。

一方、デザイン図面作成ガイドブックは、国民申聞鼓(国民参加ポータルサイト)にデザイン関連図面作成の方法が難しいという国民の要請を受け、政府革新の取り組みの一環として企画された。3月末から特許庁ホームページおよび特許出願サイト「特許路」からe-Bookをダウンロードでき、特許庁のオンラインの会員向けにデザイン審査政策のメールマガジンと一緒に無料配布される。

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