知的財産ニュース 特許庁、2019年から大学・公共(研)の特許ギャップファンド造成を支援

2018年11月29日
出所: 韓国特許庁

特許技術の成熟度を向上させるために、5~8の大学・公共(研)に3年間、最大12億ウォン支援

韓国特許庁は大学と公共研究機関の特許移転を活性化させるために、「韓国型特許ギャップファンド」造成を支援すると発表した。

特許ギャップファンド(以下、ギャップファンド)とは、大学・公共(研)が保有する特許と企業が希望する技術とのレベルの差(gap)を埋めるために、各大学・公共(研)の知的財産担当部署が運営するプログラムを指す。

ギャップファンドの支援を受けた大学・公共(研)は、機関が保有する有望な特許技術について特許ポートフォリオの構築、特許検証、試作品製作、技術マーケティングなどにギャップファンドを使用可能になる。

これまで政府の事業は、有望な特許技術の移転・事業化を支援し、ライセンスの成果を得た。しかし、事業終了後、大学・公共(研)が自ら新しい有望な技術を移転・事業化するための基盤を固めるには限界があった。

ギャップファンドは有望な特許技術を選定して技術の成熟度を高められるように投資し、この特許技術を企業に移転すれば、ロイヤリティの一部を回収して他の有望な特許技術に再投資する方式で運営される。

スタンフォード、MIT、カルテック(カリフォルニア工科大学)、オックスフォードなどの世界の名門大学は、20年以上前から独自の基金や政府の支援金でギャップファンドを造成し、運営してきている。  

*(スタンフォード)Gap Fund、Stanford Innovation Program、(MIT)Deshpande Center、(カルテック)Grubstake Program、(オックスフォード)University Challenge Seed Fund

特許庁はギャップファンド運営機関として5~8の大学・公共(研)を選定し、年間事業費18億ウォン以内で機関当たり年間1億ウォン~4億ウォンを3年間支援する。

機関当たりの年間支援金は技術移転収入と特許費用を合算した知的財産経営の規模に応じて決まる。

*機関当たりの年間造成金(例):直近3年間の平均知的財産経営規模40億ウォン以上なら4億ウォン、30億ウォン以上なら3億ウォン、20億ウォン以上なら2億ウォン、その他なら1億ウォン

中長期的に優れた運営成果(注1)を出した機関にはさらに3年間(2025年~2027年)同じ金額を支援し、ギャップファンドが完全に定着できるよう、後押しする予定である。

特許庁はギャップファンドが長期的な観点から大規模な特許技術移転の成果を創出することができるよう、投資対象の特許技術や投資規模の決定などについては、できる限り大学・公共(研)の知的財産専門部署に任せる計画である。

特許庁産業財産政策局の局長は「グーグル、アップルといったシリコンバレーのグローバル企業が大規模にもかかわらず、今も革新的な企業でいられるのは、常に大学などから革新的な特許技術の移転を受けるからだ」とし、「特許ギャップファンドを上手く運営して、韓国の大学・公共(研)も優秀で革新的な特許を創出し、韓国の産業界の革新成長を率いることを期待している」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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