知的財産ニュース 一人飯、一人飲み族の増加に伴い、関連商標も増える

2018年11月20日
出所: 韓国特許庁

1人世帯(注1)の増加に伴い、新しい消費文化に定着している「一人飯」、「一人飲み」を楽しむ「ひとり族」のための調理済み 食品(HMR、Home Meal Replacement)市場が急成長(注2)し、該当分野の商標出願件数も増加していることが分かった。

韓国特許庁によると、直近5年(2013年~2017年)でHMRのうち「即席ご飯」関連の商標出願件数は2013年の43件から2017年には285件へと6倍以上に増加したことが分かった。(年平均60%)

「調理済みピザ」、「調理済みスープ」、「冷凍麺」の場合、2013年の出願件数は1~2件に過ぎなかったが、「2017年にはそれぞれ75件(年平均147%)、140件(244%)、86件(204%)となり、着実に増加している。

出願人の類型別に見ると、企業が3,737件(55%)と3,080件を出願した個人(45%)を上回り、主な企業を見ると、1位は147件を出願した農心(ノンシン)、2位は141件を出願したパリクロワッサン、次いでCJ(120件)、大象(70件)、SPCサムリプ(64件)の順となった。

HMRの需要の増加に伴い、出願人数も毎年増加している。法人の場合、2013年には235社であったが、2017年には364社と増え、個人の場合は2013年の302人から2017年には459へ人と増えていることが分かった。

韓国人と外国人の割合を見ると、韓国人による出願件数は計6,291件(92%)と、外国人による出願件数526件(8%)をはるかに上回った。これは、韓国人の口に合う食品が主流であるため、韓国人がシェアを占めることが有利に働いたとみられる。

「ひとり族」を狙った「一人飲み」、「一人飯」、「一人」、「ぼっち」などの単語が含まれる商標出願も増加している。

2013~2014年には20件未満であったが、2016年からは毎年約50件となり2倍以上に増加している。ただし、「一人飯」、「一人飲み」のような単語は、誰もが広く使う流行語であるため、商標として登録するためには、他の商品とは区別をつけることができる単語や図形などを加えて商標を出願する必要がある。

特許庁商標審査2課の課長は、「独身主義、晩婚化、高齢化に伴う1人世帯の増加、利便性を求める社会的、文化的価値観の変化を受けて、今後もHMR市場の需要は拡大し、関連出願も増加し続ける見通しだ」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195