知的財産ニュース ソウル市、明洞で日本人観光客に偽ブランド品を販売する組織を摘発

2018年11月13日
出所: ソウル市

ソウル市民生司法警察団(以下、市民司警)はソウルの観光特区である明洞周辺の雑居ビル内の7階にある秘密倉庫で客引き行為を行って連れてきた日本人観光客に腕時計、ハンドバッグ、財布など海外の偽ブランド品を販売してきた男A(53歳)ら8人を摘発したことを明らかにした。また、Aらが保管していた偽造品1,021点(正規品価格24億ウォン相当)全量も押収した。

市民司警は明洞周辺で偽造品を販売する組織を持続的に捜査・摘発してきた。今年6月にも4人を刑事立件し、7~10月には販売組織8人を追加で摘発した。販売組織の主犯Aに対しては身柄を拘束して捜査している。

被疑者らは日本人観光客の客引き、売り場での顧客応対、偽造品仕入、偽造品供給など役割分担をはっきりさせ、日本人観光客に高価な偽造品を販売したことが明らかになった。市民司警が令状をもって現場に踏み込んだ時、被疑者らは現場にいた日本人観光客6人を一行だと主張し、抜け出した。

秘密倉庫のある雑居ビルはエレベーターが6階までしか行かないため、秘密倉庫に行くには6階から7階までは階段を上がるしかなかった。秘密倉庫は商号および看板がないうえ、客引きとともに訪問した日本人観光客以外は入れなかった。被疑者らは韓国人の出入りを制限して当局の監視の目をすり抜けてきた。

被疑者らは取引の内訳が書かれたメモや帳簿を一切保有せず、現金取引をしてきた。主犯Aは他人名義の携帯電話と口座を使い、雇われ社長の名義で賃貸借契約を締結したことが明らかになった。

被疑者らは調査過程で押収された偽造品について東大門の露店で購入したと主張したが、携帯電話をデジタルフォレンジック手法で分析した結果、卸売業者3人から偽造品の供給を受けたことも明らかになり、卸売業者も摘発した。

ビルのCCTVで確認したところ、日本人観光客は売り場に上がる時はかばんを持っていなかったが、降りてきた時は持っている姿、偽造品を購入した日本人に向かって被疑者が感謝の気持ちを込めて手を合わせて頭を下げて挨拶する姿などが確認された。

市民司警は、商標法違反行為に対する取り締まりが本格化した2012年以来、商標法違反者840人を刑事立件した。正規品なら計522億ウォン相当の価値がある偽造品131,679点を押収し廃棄処分した。 市民司警は9月、偽造品を根絶するために中国の広州税関と香港に位置する有名ブランドのアジア総括本部などを訪問して偽造品根絶対策について議論し、今後も協力して捜査を進める方針である。

市民司察の団長は、「ソウルを訪れる外国人観光客に偽造品を販売する行為は、健全な商取引秩序を乱し、国の品格を落とす行為だ」とし、「品質も保障できない偽造品の取引が明洞から消える時まで徹底的に捜査していきたい」と述べた。

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