知的財産ニュース 違法コピー品が出回るオンライン流通市場規模、毎年10%縮小

2018年8月29日
出所: 電子新聞

オンラインで流通する違法コピー品が減少した。違法コピー品流通監視システムが功を奏したと言えるだろう。

大統領所属国家知識財産委員会は8月29日、「2017知識財産保護執行年次報告書」を発刊した。報告書には昨年、文化体育観光部、特許庁、法務部など14の関係部処が行った「知識財産保護執行政策」の成果が盛り込まれた。

ネットで出回る違法コピー品の市場規模は2013年には554億ウォンであったが、2017年には334億ウォンとなり、5年で年平均11.87%減少した。オフラインの市場規模も2017年には3,458億ウォンとなり、前年比13.5%減少した。

これについて報告書には違法コピー品流通を常時監視するシステムが奏功したとある。オンライン上の違法コピー品に対する是正勧告件数は2013年の17万1,286件から昨年55万4,843件に3倍以上となった。著作権を侵害する海外サイトへのアクセス遮断要請件数は2013年の13件から2017年には1,003件へと直近5年間、急増した。

オンライン・オフラインで行った模倣品取り締まり件数は前年に比べ、増加した。特許庁特別司法警察は2017年、前年比18.4%増の69万1,360点の模倣品を押収した。オンライン・オープンマーケット(インターネットショッピングモール)における販売差止件数は2013年には4,422件、2015年には5,673件、2017年6,156件となり、毎年増加している。 

特許法違反による刑事訴訟は2013年の17件から2017年には26件へと増加した。2017年の民事本案における調停・和解・移送などを除く特許権者の勝訴率は28.1%と、2014年以後、伸び続ける傾向にある。

直近5年間、不正競争防止法、産業技術流出防止法違反の罪で起訴された割合は、それぞれ25.5%、42.5%となっており、知的財産権法律を違反した全事件の平均起訴率を上回っている。

植物新品種違反の罪で検察庁に報告された件数は2013年の2件から2017年には42件へと、山林庁が行った流通取り締まり件数は2013年の14件から2017年には31件へと増加した。2017年の不良種子取り締まり件数は前年比14.8%増の31件となり、違反行為摘発件数も前年比85.7%増の91件となっている。

報告書では、韓国政府は昨年、産業財産権分野で特許法、商標法など産業財産権違反罪に対する罰金刑を引き上げ、保護システムを強化したと紹介している。また、海外のオンラインで販売される模倣品に対するモニタリングシステムを構築し、中国のオープンマーケットであるアリババ、京東商城(ジンドン)と協力して模倣品の流通、販売を遮断するなどして、K-ブランド保護に向けた海外オンライン協力システムを構築したと明らかにしている。 

著作権分野では違法コピー追跡管理システム機能を強化、オンライン保護システムを再整備し、関税庁などと協力を行うことで、オフラインで流通する違法コピー品取り締まりを拡大したと説明した。

知識財産委員会共同委員長は「報告書が韓国政府の知的財産保護政策の策定における土台になり、同時に国際知的財産保護の秩序を確立するという意志をグローバルに持続的に発信する疎通の場になることを期待している」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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