知的財産ニュース 特許庁、偽加工肉・偽パック肉の製造・流通業者を摘発

2018年8月23日
出所: 韓国特許庁

包装箱を大手有名企業の製品に偽造し、首都圏一帯に流通

韓国特許庁の商標権特別司法警察(以下、特司警)は、韓国の大手有名企業の製品のように見せかけた、偽味付けパック肉を製造したA(35歳)氏と、流通させたB(52歳)氏を商標法違反の疑いで摘発した。

特司警によると、A氏とB氏は調理済み食品(HMR(注1))の人気に伴う加工肉の消費増加に気付き、韓国大手有名企業の商標を盗用した味付けパック肉を製造・流通することにした。

A氏らの犯行は、キャンプ場の多い江原地域の中小型マートでプロモーションを展開していた大手企業の担当者が、味付けパック肉に付いた商標がおかしいと判断して警察に通報し、明らかになった。その後、商標権者が特許庁特司警に事件を正式に依頼し、特司警は捜査に着手した。

特司警は通報を受け、ソウル・京畿・江原一帯で偽パック肉が販売されたという事実を確認し、パック肉の製造工場(慶尚北道漆谷)と流通倉庫(京畿道安山)の強制捜査に乗り出した。その結果、偽パック肉3,000点余り(4,500万ウォン相当)、包装用の箱、包装箱製作用の金型工具などの副資材4万点余りを押収した。

この他、A氏らは昨年11月ごろから今年6月までの約8カ月間、11億ウォン相当の偽パック肉6万点余りを製造・流通し、その量は約67トンに及ぶ。

味付け牛肉焼き、味付け鶏カルビ、練炭焼肉など約10種類の偽パック肉は、主にソウル・京畿などの首都圏と江原道一帯の小規模マートで販売された。HMR利用者、観光地やキャンプ場で該当製品を調理して食べた旅行者が被害を受けたとみられる。

商標権を侵害された企業の関係者は、「盗用された商標が付いた偽パック肉の安全や衛生に関わる事故でも発生していれば、これまでの企業イメージや製品の信頼性は損なわれただろう」とし、「特司警が早期に取り締まり、被害を減らすことができた」と述べた。

特許庁産業財産調査課の課長は「最近、1人世帯の増加などに伴い、家庭で迅速かつ簡単に調理して食べる調理済み食品が人気となっていることを狙った悪質な犯罪行為であり、特に国民の安全や衛生に関わる問題であるため、迅速に捜査を行った」とし、「今後も国民生活への影響が大きい健康・安全・衛生関連の偽造品の製造・流通については、徹底的に捜査し、できるだけ早く処理したい」と述べた。

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