知的財産ニュース ソウル市、明洞で日本人観光客を狙い、偽ブランド品を販売した業者を摘発
2018年7月31日
出所: ソウル特別市
ソウル市民生司法警察団(以下、市民司警)はソウルの人気観光地である明洞で日本人観光客を狙い、腕時計やハンドバッグ、財布、衣類などの偽ブランド品を流通・販売したA氏(47歳)ら4人を摘発したと明らかにした。また、彼らが6~7月に流通した偽ブランド品640点(正規品価格15億ウォン)も全量押収した。
市民司警の捜査によると、A氏ら被疑者は韓国人の出入りは制限し、路上で客引きをしたり、紹介者を通じて連れてきたりした日本人観光客のみ出入りすることができる秘密場所を明洞に設け、高価な偽ブランド品を流通・販売してきたことが明らかになった。
客引きは日本人観光客に近づき、いわゆる「S級偽ブランド品」があると客引き行為をした後、日本人観光客を秘密場所に誘い込んでいた。売り場は事務室や倉庫を装っており、狭い1階の出入口を通らないと入れないところの地下や地上2・3階にあった。しかも、飛ばし携帯を使っていたため、客引き同士でも身元を明かさない組織になっていた。
市民司警は、今年5月末、明洞のマッサージ店でマッサージを受けた日本人観光客が客引きに連れ出され、偽ブランド品を買わされたとの情報を入手し、捜査に着手した。日本語が堪能な同市の捜査官が日本人観光客に成りすまして店舗の位置を確認し、6月初めにその場所を強制捜査し、被疑者らを摘発した。
日本人観光客を装った捜査官はマッサージを受け、マッサージ店に訪ねてきた客引きの案内により明洞の街に出た。客引きは売り場に直行せず、明洞の街をあちこち連れ回した後、特定地点に到着して別の客引きに交代した。次の客引きも再び明洞を回った末、看板を掲げない明洞の建物3階に位置している秘密倉庫に連れていったと捜査官は言っていた。
市民司警は、明洞でブランド品のマークを付けずにブランド品のスタイルのみ模倣した(商標法違反のように見えるものの、商標法違反ではない)製品を掲げ、日本人観光客をターゲットにして客引き行為をする客引きはよく見かける。しかし、だからといって秘密場所で商標法違反の偽ブランド品を販売するという推定だけで取り締まることは困難であるため、今回のおとり捜査が決め手になったと付け加えた。
韓国では偽ブランド品など模倣品を流通・販売すると「商標法」に基づき、7年以下の懲役、又は1億ウォン以下の罰金が科される。
市民司警は本格的に商標法違反行為を取り締まった2012年以降、商標法違反で773人を摘発し、偽ブランド品125,046点(正規品価格439億ウォン)を押収・廃棄処分したとしている。
市民司警は、市民なら誰でもスマートフォンでいつでも民生に関わる犯罪を簡単に通報できる「民生犯罪通報アプリ(ソウルスマート不便申告)」を作り運営している。ソウル市のウェブサイトや120タサンコールセンター、訪問、郵便、ファックスなどの方法で通報・情報提供をすることができる。
- 携帯電話:ソウルスマート不便申告(アプリ)→民生事犯通報をクリック
- ソウル市ウェブサイト:(分野別情報サービス)安全→民生司法警察→民生侵害犯罪通報センター
ソウル市民生司法警察団長は、「ソウルを訪れる外国人観光客に偽ブランド品を販売する行為は、健全な商取引の秩序を乱し、韓国の首都であるソウルの品格を落とす行為」とし、「偽ブランド品が明洞から消えるまで持続的かつ徹底的に捜査する」と述べた。
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