知的財産ニュース スタートアップのIP競争力、特許バウチャーが導く

2018年7月30日
出所: 韓国特許庁

特許庁、特許バウチャー事業の2次支援企業50社を選定

韓国特許庁はIPを基盤とし、成長する可能性が高いスタートアップ50社を「特許バウチャー事業」の2次支援対象に選定した。  

今年、新規に施行したスタートアップ特許バウチャー事業はスタートアップが希望する時期に必要なサービスを選択して支援を受けることができる需要者中心のIP統合支援事業である。

バウチャーの種類

  • 小型バウチャー(500万ウォン以内):IPがない初期スタートアップが対象となる
    *立ち上げ3年未満、売上高10億ウォン未満
  • 中型バウチャー(2,000万ウォン以内):成長期・有望なスタートアップが対象となる
    *立ち上げ7年未満、売上高100億ウォン未満、出願や登録したIP保有件数が 1件以上

(※全てのバウチャーは最大3回まで再発行可能)

6月から始まった2次支援の対象は、立ち上げ3年未満の売上高10億ウォン未満の初期スタートアップであり、200以上のスタートアップが特許バウチャーを申請した。  

注目すべきは、選定された企業の60%以上がIT・ソフトウェアだけでなく、ハードウェアとバイオ/ヘルスケアなど、第4次産業革命の主要な分野で中核技術を開発・保有していることである。

指の動きに反応するテキストエンジンで世界最速のテキスト編集を可能にする技術の保有企業、顧客の顔を認識し、従来の注文履歴を分析して推奨メニューを提示する人工知能キオスク企業、腹部の脂肪率を5秒で測定できる医療機器を開発したヘルスケア企業など、斬新なアイデアに先端技術を適用して、世界市場に挑戦するスタートアップが選定された。

1次支援企業に選ばれた60社のうち、35社が国内外にIP(特許・商標・デザインなど)出願、特許分析・コンサルティングなど75件のIPサービスを利用した。

該当企業は特許バウチャーを利用して、国際特許出願、特許分析、IP経営相談などを行い、企業のIPポートフォリオ強化、KOSDAQ(コスダック)への上場推進、海外進出などの目に見える成果を創出している。

そのうち、韓国初のディープラーニングベースの検索エンジンの商用化に成功したスタートアップは、特許バウチャーを通して海外に特許を出願しており、世界最高のアクセラレーターに挙げられるTechstarsの支援プログラムに最終選定された。

事業管理機関である韓国特許戦略開発院は8月、2次支援企業に選定された企業を対象に、バウチャーの使い方に関する教育を実施し、9月からは1・2次支援企業に選ばれた企業を対象に、IPサービスの利用状況やニーズを分析して特許バウチャーの再発行を推進する予定である。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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