知的財産ニュース 特許実施料の平均は売上高の4.75%

2018年7月24日
出所: 韓国特許庁

特許庁、特許実施契約の実態調査の結果を発表

他の企業の特許を使用する場合、売上高の4.75%を対価として支払うことが平均であることが分かった。

韓国特許庁は、韓国企業における特許実施契約の実態について調べ(実施機関:韓国知識財産研究院)、その結果を発表した。特許庁に実施権を登録した企業のうち5,400社を対象にアンケート調査を行い、回答した703社の直近5年間の実施契約1,053件を分析した。

調査結果によると、売上高の一定の割合を支払う場合は83.8%、定額で支払う場合は16.2%となり、実施料率の平均は売上高の4.75%となっている。これは、米国の7.04%より低く、日本の3.7%よりは高い(注1)。区間別の分布を見ると、売上高の5〜10%が28.2%と最も高く、次いで3〜5%が26.5%、3%未満が25.6%、10〜15%が15.6%、20%以上が2.8%の順であった。

実施契約は一つの特許のみを対象にして結ぶ場合(86%)が一般的であった。複数の特許をパッケージにする、あるいは商標、デザイン、営業秘密などの他の知的財産権と結合する複合的な契約は、一部に過ぎなかった。複数の特許権者が保有する特許を集めてライセンスする特許プールの利用率も低いことが明らかになった。これは、韓国企業の知財権の取引がまだ単純な形態にとどまっていることを示している。

実施権の形態を見ると、一人のみに独占権を与える専用実施権(40.9%)より他の実施権者も追加で許可することができる通常実施権(57.5%)の方が多かった。独占的な権利を実施権者に持たせ、特許権者も特許を使用することができない専用実施権については特許権者が負担を感じるとみられる。

実施契約の半分程度は制限事項、紛争条項など特約事項を含めている。特許権者は地域、活用分野などを制限して実施権の範囲を適切に調整し、無効審判提起を禁止する条項などを契約に含めることで、紛争を事前に防止していることが分かった。実施権者も紛争防止のために、特許権の有効性保証、特許技術の性能保証、第三者による特許の非侵害保証などを要求した。企業は無形の権利である特許権の特性による不確実性を減らすために、このような特約を積極的に活用しているだろう。

特許庁産業財産保護協力局の局長は「今回の調査結果は実施権契約や特許訴訟を行う中小企業にとって有用な参考資料になるだろう」とし、「特許取引の活性化や適切な補償文化の定着に役立つことを期待している」と述べた。

実態調査報告書の全文は、特許庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます韓国知識財産研究院外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのウェブサイトでダウンロードできる。

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