知的財産ニュース 科学技術情報通信部と特許庁、R&Dの有効性向上および成果の拡大に拍車を

2018年7月5日
出所: 韓国特許庁

「IPベースのR&D革新政策協議会」を開催

韓国の科学技術情報通信部と特許庁は7月5日(木曜)11時、特許庁ソウル事務所で「知的財産(IP)ベースのR&D革新政策協議会」を開催し、革新成長エンジン分野を中心にして科学技術分野のR&D・IP競争力を強化し、大学・公共研の特許管理システムを革新する協力体制を作ることにした。

今回の政策協議会は、第4次産業革命時代を迎えるなか、基礎研究段階からIP政策を有機的に連係させることで、R&Dの効果を向上させる必要性が増して開かれた。

また、国家科学技術革新と産業発展における重要な役割を担う両機関の専門性や強みを活かした効率的な協業体制を構築することにも意味がある。

両機関は、協議会で企画‐R&D‐評価‐成果管理のR&D全段階にわたって、政府R&Dの特許創出・活用を拡大し、科学技術情報通信部のR&D事業と特許庁のIP‐R&D(注1)事業の連係を強化していくことにした。 

(企画)特許庁が科学技術情報通信部による革新成長エンジン関連の新規分野発掘事業に参加して各段階で特許分析を支援し、科学技術情報通信部と特許庁がR&Dの予備妥当性対象事業や第4次産業革命関連技術などに対する特許分析を共同で行う。    

同時に特許ビッグデータを分析して、源泉特許・核心特許を確保することができる空白技術を導出し、研究開発の方向を示す課題別のIP‐R&D支援を拡大していく予定である。

(R&D)科学技術情報通信部は今年、年間50億ウォン以上の革新成長エンジン事業団(早期商用化を目指す)に特許専任官(CPO、Chief Patent Officer)制度を導入し、特許庁は2019年にCPO導入事業団に対する特許庁の特許成果分析の結果を検討し、革新成長エンジンの全分野へとCPO制度を拡大する方針である。

(評価)大学・公共研が優秀な技術のみを選別して出願するよう、R&D事業・課題・機関評価における量的特許成果指標の使用を減らし、特許技術の経済的成果に対する評価を強化していくことにした。

科学技術情報通信部と特許庁は、大学・公共研が付加価値の高いうえ、競争力のある特許を創出できるように特許管理システムの革新を推進する計画である。

そのために、後続の実務協議を経て、大学・公共研の特許成果指標を経済的な成果中心に転換し、特許費用などの直接費用を先に共済した後、技術移転収入を分配するように技術料分配に関する規定を改正する。

通常実施(注2)の対象や手続きに関する規制緩和など、大学・公共研による特許技術の事業化促進に向けた制度改善も推進する計画である。

なお、最近、話題になっている特許の所有権に関連し、大学・公共研が特許の出願・登録・維持を放棄した場合、発明者にその権利が無償で譲渡されるよう、「発明振興法」などを改正する案も検討することにした。

※「ソウル大学イ・ジョンホ教授が発明したFinFETをめぐる職務発明紛争事件」に関連し、発明振興法の改正(案)を作った後、それに合わせて共同管理規定の改正を推進する

両機関は今後も四半期ごとに定例の政策協議会を開催し、国家R&D革新のための協力課題を継続的に発掘・推進し、履行状況についても点検していく計画である。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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