知的財産ニュース 特許庁、審査品質革新のために「パート長中心の審査品質管理体系」を本格化

2018年7月4日
出所: 韓国特許庁

7月から審査の基本組織である審査パートを中心に審査品質革新を推進

韓国特許庁は、審査の質的水準を高めるために「審査パート中心の審査品質革新方案(注1)」を7月から施行し、これを主導するパート長130人(パート長兼任課長32人を除く)への「パート長任命状授与式」を7月3日、特許庁で開催したと発表した。

今回の審査品質革新方案は特許行政革新プラットフォームである「特許路1番街」を通じ、特許庁のメンバー皆が参加して導出された。従来は個別の審査官の責任を強調した評価システムであったが、今後は「審査パート内のコミュニケーションを強化し、自律性を高める」品質管理システムに切り替えるのが特徴である。

審査パートは、類似の技術や商標・サービス分野を担当する審査官5〜6人からなる審査管理の最小単位(注2)である。今回、審査パート中心の審査管理システムを導入することで、審査における争点や実体的判断事項に関する議論や協議が活性化し、特許、商標など知財権の付与に対する判断の正確性や一貫性が向上すると見込まれる。

*特許・商標・デザイン:計40(特許33)の審査課、164(特許140)の審査パート

3日に開催された「パート長任命状授与式」は、新しい審査品質管理システムで審査パートの品質革新をリードしていくパート長の存在感や誇りを高めるために設けられたもので、特許庁長がパート長全員に任命状を授与し、励ました。

今回任命されたパート長は、公募などを経て書記官やベテラン事務官が選抜された。彼らは審査力、教育・指導力、組織管理力など、審査パートの管理者に求められる能力の検証を受けた優秀な審査官である。

パート長らは、審査に関する討論や協議を主導して審査の争点を整理し、特許性などの権利付与に関する基準をめぐる、審査官の意見調整を行う。また、審査品質革新の成果が産業界全体に拡散できるよう、産学研の出願人とのコミュニケーション強化も図っていく予定である。 任命されたパート長には女性パート長が22人(パート長の17%)含まれている。今後、女性管理者が増加し、高品質な審査行政実現における女性の役割が徐々に大きくなると期待できる。

*2016年12月時点、政府部処に占める4級以上の女性管理者の割合は13.5%

特許庁長は、「革新成長をリードする強い知的財産の創出は、高品質の審査サービスから始まる」とし、「特許、商標審査などの質的レベルが上がったことを国民が実感できるよう、審査品質を継続的に革新していきたい」と訴えた。

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