知的財産ニュース 賢くなるAIスピーカー

2018年6月25日
出所: 韓国特許庁

AIスピーカーの中核技術、音声認識に関する特許出願が急増

最近、キャリアやインターネット関連企業がAIスピーカーを発売しているなか、日常生活で使えるAIスピーカーの多様な機能がCMなどに紹介され、人々の関心が高まっている。  

韓国特許庁は、AIスピーカーの普及拡大とともに中核技術である音声認識に関する特許出願が増加しつづけていると明らかにした。

音声認識技術とは、ユーザーが入力した音声をコンピュータが分析し、特徴を抽出して事前に入力された単語や文章に近い結果を出力・制御する最先端のソフトウェア技術であり、AIスピーカーに搭載されて複数の機能を兼ね備えるなど、その役割がさらに拡大するとみられる。

音声認識技術に関する特許出願件数は、2013年は64件に過ぎなかったが、2014年から徐々に増え始め、2017年には前年比178%増の114件となり、2018年4月末までに40件が登録され、今年も前年に比べて増える見通しである。

ユーザーと端末間の新しいコミュニケーション方法であるという点で、音声認識技術はAIスピーカーだけでなく、自動車、金融、ショッピング、医療などのさまざまな分野で今後も増加すると見込まれる。  

出願人の動向を見ると、音声認識に関する特許出願は企業(59%)がリードしており、次いで大学や研究所(32%)、個人(9%)の順であった。  

ここで注目すべきは、企業による出願の割合が2017年度には全体の65%、2018年度には73%まで増加したことである。これは、AIスピーカー市場の急激な成長に伴い、企業が該当技術に関する研究や投資に力を入れたためであろう。

今後AIスピーカー市場は、従来の国内通信サービス企業だけでなく、外国の有名なインターネットプラットフォーム事業者が自社のサービスをより簡単に利用可能にする。また、海外事業者がホームIoTのリーダー役を果たすために韓国市場への進出を図っているため、AIスピーカー市場は急成長すると見込まれる。  

特許庁移動通信審査課の課長は「今後、ユーザーが音声でAIスピーカーのみを用いて家庭内のすべての電子製品をコントロールし、出前を取る時代が来るだろう」とし、「韓国企業が世界的な競争力を持つためには医療・金融・電子決済など、他の産業分野の企業と協業して、差別化されたAIスピーカーサービスを開発し、関連特許権の確保に積極的に取り組まなければならない」と訴えた。

特許庁はAIスピーカーをはじめとする、第4次産業革命の技術のパラダイムシフトに対応し、その技術の正確かつ迅速な審査、早期権利化につなげるために3人審査制度と優先審査制度などを導入しており、第4次産業革命の関連技術を担当する審査組織の新設を進めている。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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