知的財産ニュース 農業と第4次産業革命の技術の融合によるスマートファーム!

2018年6月11日
出所: 韓国特許庁

温室スマートファームに関する特許出願、平均約11%増加

韓国特許庁によると、2008年1件あった温室スマートファームに関する特許出願件数は、2010年に30件に急増し、その後2012年43件、2014年60件、2016年85件へと増加した。2017年には61件となり、2010年以降、年平均約11%の伸びを示している。

出願人別に見ると、企業(42.9%)、教育機関(21.5%)、個人(20.8%)、研究機関(10.1%)、国および自治体(4.7%)の順であり、企業による出願の割合が最も高いことが分かった。

技術別に見ると、統合制御技術が126件(27%)で最も多く、次いで栽培施設技術(122件、26%)、光源関連技術(98件、21%)、灌水や養液供給技術(47件、10%)、作物生長モニタリング技術(44件、9%)、その他の技術(29件、6%)の順であった。

統合制御技術とは、作物に最適な環境を整えるためにICTベースでセンサを統合管理する技術を指す。直近5年間(2013年〜2017年)113件が出願され、前の5年間(2008年〜2012年)の13件に比べ、8.7倍に急増した。農場間のデバイス相互接続技術、スマート端末による遠隔制御技術などが出願された。

栽培施設技術では温室、植物工場、水耕栽培システムなど、温室スマートファームに必要な施設関連の技術が出願された。最近5年間で78件が出願され、前の5年間の44件に比べて1.8倍に増加した。

光源関連技術では知能型LED照明、太陽光と人工光を組み合わせたハイブリッド照明などに関する技術があり、直近5年間55件が出願され、前の5年間の43件に比べ、1.3倍に増加した。

灌水や養液供給技術ではスマートバルブを利用した水や養液供給技術、循環式養液栽培技術などが出願された。直近5年間35件が出願され、前の5年間の12件に比べ、2.9倍に増加した。

作物生長モニタリング技術では作物の生育状態センシング、病虫害診断などの知能型モニタリング技術が出願された。直近5年間で40件が出願され、前の5年間の4件に比べ、10倍となった。

特許庁農林水産食品審査課の課長は「農業技術にICTなどの第4次産業革命の技術を取り入れた温室スマートファーム技術に関する研究開発が活発に行われれば、関連分野の市場を切り拓くことができ、雇用創出にもつながるだろう」と見通した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195