知的財産ニュース 特許、棚卸資産などを担保に融資を
2018年5月23日
出所: 電子新聞
動産担保融資を2020年までに50倍に拡大
今後、特許などの知的財産権、機械設備、完成品・半製品などの棚卸資産、農畜水産物などを担保にして融資を受けることが可能になる。
2022年までに動産担保市場を現在の30倍以上である6兆ウォン規模に拡大する。モノのインターネット(IoT)、ビッグデータなどの新技術を事後管理に適用することで、IoT専門業者といった関連サービス産業の新事業領域を追加で発掘することも容易になる。
金融委員会の崔鍾球(チェ・ジョング)委員長は23日、京畿道シファ工業団地にある機械取引所を訪問し、中小企業家との現場懇談会を開き、このような内容の「動産金融活性化推進戦略」を発表した。
金融委員会は中小企業であれば、企業が保有している機械設備、棚卸資産、農畜水産物、売上債権、知的財産権などの動産を担保資産として認められるように、事後管理のインフラ構築に徹することにした。
動産は不動産と異なり、相場を推定することが難しく、権利関係も不明である。このような問題を解決するためにIoT資産管理システムを導入し、担保の状態をリアルタイムで管理する。IoTベースのワイヤレス端末を担保(動産)に取り付けて中央管制センターに担保関連の情報を送り、管制センターは担保の移動や毀損の有無についての情報を銀行に提供する。
今年中に企業銀行、信用保証基金による融資・保証に動産担保融資を試験的に適用し、来年までに全銀行へ拡大することを目指す。融資を受けた企業の営業活動をリアルタイムで確認できるビッグデータ・モニタリングサービスも導入する。機械、棚卸資産など、担保の特性に合った端末や情報の送受信システムの開発など、新産業分野の発掘も期待できるだろう。
崔委員長はこの日、機械取引所を訪問し、IoTによる担保管理の実態を確認した。金融委は今後5年間、約3万社が動産担保融資を利用すると見通している。
各銀行の動産担保融資に関する標準内規も見直される。あらゆる業種で動産担保融資を認め、最低信用格付は廃止する。商品の範囲も購入資金や施設資金など、すべての融資商品に拡大する。完成品や半製品も担保可能資産として認められる。
例えば、衣類流通業者であれば完成された既製服やアクセサリー、ドラマ制作会社であれば放送機器やスタジオ設備などを担保にして資金調達することができる。既に融資を受けた企業も動産を担保に優遇金利を受けることもできる。
動産担保融資利用企業向けの追加政策金融も3年間、計1兆5,000億ウォン規模で提供することにした。企業銀行は機械設備優遇融資と棚卸資産優遇融資をそれぞれ8,000億ウォン、2,000億ウォン規模で新規に設け、信用保証基金は5,000億ウォン規模の動産担保融資と連携した特例保証を導入する。
また、年間2,000億ウォン規模の特別on-lending融資も導入される。on-lending融資とは産業銀行が市中銀行に低金利で資金を融資し、市中銀行がそれをまた融資する間接融資制度である。
知的財産権、売上債権など、実物のない無体物動産担保の活性化に向けた支援も充実させる。IP価値評価費用を支援し、評価に対する負担軽減を図り、IP担保融資の実績を独立指標として反映し、銀行の参加を促す。
崔委員長は「動産は不動産とは異なり、いずれの企業も保有しているため、スタートアップや初期段階の中小企業にとっては有用な資金調達の手段になり得る」とし、「3年以内に15倍、5年以内に30倍に拡大することが目標」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、李(イ)、半田(いずれも日本語可)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195