知的財産ニュース 韓国の中小企業、米国で特許による反撃開始!

2018年5月14日
出所: 韓国特許庁

特許庁、「2017 IP TREND年次報告書」発刊

韓国特許庁と韓国知識財産保護院は「2017 IP TREND年次報告書」を発刊し、韓国の中小企業が米国での特許攻勢に出ていることを明らかにした。

直近5年間、米国における韓国企業の特許訴訟件数は、2013年以降減り続けてきたが、2017年に入って前年比、小幅(38件)増加した。しかし、訴訟を起こされるだけでなく、中小企業A社が15件の訴訟を起こすなど、提訴件数も増えている。

韓国の中小企業による提訴件数は2016年の6件から2017年には19件へと増え、攻めの特許戦略を展開していることが分かる。

2017年における韓国企業の特許訴訟件数を見ると、大企業は140件中138件が訴えられた。これに対し、中小企業は42件中提訴したのが19件、訴えられたのが23件となり、特許を積極的に活用する傾向にあることがうかがえる。特に、2018年第1四半期だけで中小企業による提訴件数が23件となっており、こうした傾向を裏付けているといえるだろう。

一方、韓国企業の訴訟は情報通信や電気電子の分野(68%)に集中しており、Uniloc(注1)などのNPE(注2)によって訴えられる割合(66%)が高いことが分かった。 「2017 IP TREND年次報告書」は輸出企業の紛争防止につながるよう、米国における韓国企業の特許訴訟の動向に加え、韓国企業を提訴した企業分析、米国特許関連の主要イシュー、専門家コラム(名古屋議定書発効によるIP戦略)などを盛り込んでおり、国際知的財産権紛争情報ポータルであるIP-NAVI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでダウンロードできる。

IP-NAVIは輸出する中小・中堅企業の海外知的財産権を保護するための総合情報ポータルである。米国など海外の紛争速報、NPE分析情報、海外知的財産権保護および契約ガイドブック、海外判例および判例分析など、さまざまな情報やメーリングサービスを提供している。また、中小・中堅企業を対象に特許庁が支援する海外知的財産権保護事業(注3)についても案内している。

特許庁産業財産保護協力局の局長は「韓国の中小企業が権利保護に積極的に乗り出していることは非常に望ましい」とし、「中小企業の攻めの特許戦略が新たなビジネスモデルに定着するよう、支援体制を充実させたい」と述べた。「海外で特許、商標などの権利を行使する時に特許庁の知的財産権保護支援事業を積極的に活用してほしい」と付け加えた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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