知的財産ニュース 次世代ディスプレイ、マイクロLED

2018年3月19日
出所: 韓国特許庁

マイクロLEDの技術に関する特許出願が急増

今年1月、世界最大の家電・IT製品展示会の一つであるCES (International Consumer Electronics Show) 2018で世界の注目を集めたマイクロLEDディスプレイが特許出願でも注目を受けている。 韓国特許庁は、マイクロLED技術に関する特許出願が、最近になって急増していると明らかにした。 マイクロLEDは、チップサイズが5〜100μmの超小型発光ダイオードであり、LEDを超小型に実装することで、従来のバックライトの用途とは異なってLEDチップ自体を画素(ピクセル)として活用することができるため、その適用範囲が大きく拡大するとみられる。

マイクロLEDの技術に関する特許出願件数は、2012年には19件に過ぎなかったが、2015年には約3倍増の62件となり、2017年には2015年比、倍増したことが分かった。

マイクロLEDは、LEDチップ自体を画素(ピクセル)として活用できるため、フレキシブルやローラブル画面の実装に適しており、色再現性と電力消耗量および応答速度という面で有機ELよりはるかに優れているため、マイクロLEDの技術に関する特許出願件数の増加傾向は今後も続くと見込まれる。

最近10年間のマイクロLED技術に関する出願人の出願動向を見ると、韓国の大企業が33.2%(119件)、外国企業が32.4%(116件)を占めており、次いで中小企業が16.2%(58件)、大学および研究機関が15.4%(55件)、個人が2.8%(10件)を占めていることが分かった。

注目すべきは、出願件数で韓国の大企業が外国企業を圧倒していた有機EL技術とは異なり、マイクロLED関連出願では外国企業の出願件数と韓国の大企業の出願件数がほぼ同じということである。これは、外国企業が次世代ディスプレイ市場で主導権を確保するために、マイクロLEDの技術開発に積極的に取り組んでいるためとみられる。

特許庁ディスプレイ機器審査チームのチーム長は「マイクロLEDディスプレイは、次世代ディスプレイ技術として今後、関連産業の発展および雇用創出に寄与するだろう」とし、「韓国企業がマイクロLEDディスプレイ技術を先取りするとともに、市場競争力を備えるために、中核技術に対する特許権を優先的に獲得し、その分野での優位性を確保していくことが何よりも重要である」と強調した。

特許庁はディスプレイ技術分野の特許競争力を強化するために、産業界と特許庁間の疎通と協力の一環として「IP Together」というイベントを定期的に開催しており、「特許法説明会」などを通じて関連情報を継続的に提供していく予定である。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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